十六夜涙

(あまつかぜよときのはさえ)

天つ風よ　時の羽さえ

(このおもいはいざよいに)

この思ひは十六夜に

(りんとしたあなたとおなじたおられぬはないろはにおえど)

凛としたあなたと同じ　手折られぬ花　色は匂へど

(ことのはもとどかないままうれうえだからきえた)

言の葉も届かないまま　憂ふ枝から消えた

(あなたのそらをとぶちょうになれぬのなら)

あなたの空を飛ぶ　てふになれぬのなら

(そのかなしみくるしみをくらいつくすおにでもかまわない)

その哀しみ　苦しみを　食らい尽くす鬼でもかまわない

(あまつかぜよときのはさえ)

天つ風よ　時の羽さえ

(このおもいをまいちらせと)

この思ひを舞い散らせと

(ゆめよせつなこのこころは)

夢よ刹那　この心は

(さなぎのままりんねのはてかすむそらいざよいなみだ)

さなぎのまま　輪廻の果て　霞む空　十六夜涙

(めをいぶくあなたのようなごうのはないろはにおえど)

芽を息吹くあなたのような　業の花　色は匂へど

(まいもどるこのことだまたがうすがたでもよいと)

舞い戻る　この言霊違う姿でもよいと…

(いとしいそらをまうちょうになれぬのなら)

愛しい空を舞う　ちょうになれぬのなら

(くるおしいよにさいたあなたをこわすおにでもかまわない)

狂おしい世に咲いた　あなたを壊す鬼でもかまわない

(あまつかぜよこのはたよりに)

天つ風よ　この羽頼りに

(このおもいをとどけたくて)

この思いを届けたくて

(ときよせつなかなうおうせは)

時よ刹那　叶う逢瀬は

(はるのよいんりんねのはてあおぐそらいざよいつきよ)

春の余韻　輪廻の果て　仰ぐ天十六夜月夜

(あまつかぜよときのはさえ)

天つ風よ　時の羽さえ

(このおもいをまいちらせと)

この思ひを舞い散らせと

(ゆめよせつなこのこころは)

夢よ刹那　この心は

(さなぎのままりんねのはてかすむそらいざよいなみだ)

さなぎのまま　輪廻の果て　霞む空　十六夜涙

(あまつかぜよこのはたよりに)

天つ風よ　この羽頼りに

(このおもいをとどけたくて)

この思ひを届けたくて

(ときよせつなかなうおうせは)

時よ刹那　叶う逢瀬は

(はるのよいんりんねのはてあおぐそらいざよいつきよ)

春の余韻　輪廻の果て　仰ぐ天十六夜月夜