風は吹いている

(このかわりはてただいちのくうはくに)

この変わり果てた　大地の空白に

(ことばをうしなってたちつくしていた)

言葉を失って　立ち尽くしていた

(なにからさきにてをつければいい？)

何から先に　手を付ければいい？

(ぜつぼうのなかにひかりをさがす)

絶望の中に光を探す

(どこかにかみがいるならもういちど)

どこかに神がいるなら　もう一度

(あたらしいせかいをこのちにひらかせてくれ)

新しい世界を　この地に拓かせてくれ

(それでもみらいへかぜはふいている)

それでも未来へ　風は吹いている

(ほほにかんじるいのちのいぶき)

頬に感じる　生命の息吹

(それでもわたしはつよくいきていく)

それでも私は　強く生きていく

(さあたったひとつれんがをつむことからはじめようか？)

さあ　たったひとつレンガを積むことから始めようか？

(きおくのきずぐちはかさぶたになって)

記憶の傷口は　瘡蓋になって

(いたみのなかにやさしさをうむんだ)

痛みの中に　優しさを生むんだ

(だれからさきにだきしめればいい？)

誰から先に　抱きしめればいい？

(ぬくもりのなかでゆめをかたろう)

ぬくもりの中で　夢を語ろう

(あふれたなみだのぶんだけなにかをせおわせてほしいよ)

溢れた涙の分だけ　何かを背負わせてほしいよ

(ぼうかんしゃにはならない)

傍観者にはならない

(それでもみらいへあいはつづいてる)

それでも未来へ　愛は続いてる

(ひととひととがもとめあっている)

人と人とが　求め合っている

(それでもわたしはいっぽあるきだす)

それでも私は一歩　歩き出す

(そこにわすれられたきぼうをひろってはじめようか？)

そこに忘れられた　希望を拾って始めようか？

(それでもみらいへかぜはふいている)

それでも未来へ　風は吹いている

(ひとみとじればかんじるはずさ)

瞳閉じれば　感じるはずさ

(たしかにみらいへかぜはふいている)

確かに未来へ　風は吹いている

(すべてうしなってとほうにくれても)

すべて失って　途方に暮れても

(たしかにわたしはここにそんざいする)

確かに私は　ここに存在する

(まえをふさいでるがれきをどかしていまをいきる)

前を塞いでる瓦礫をどかして　今を生きる

(もしもかぜがやんでしまっても)

もしも風が　止んでしまっても

(かぜがきえたせかいはないんだ)

風が消えた　世界はないんだ

(どんなときもこきゅうをしてるように)

どんな時も呼吸をしてるように

(きょうというひがそうつらいいちにちでも)

今日という日が　そう　つらい一日でも…

(できることをはじめようか？)

できることを　始めようか？