Ryrie

(とけかけのまほうつめたいすーぷと)

解けかけの魔法　冷たいスープと

(てれびのなかをのぞくようなこと)

テレビの中を覗くようなこと

(すきまかぜとふぉーくうらがえるかーてん)

隙間風とフォーク　裏返るカーテン

(じまくのないぼくたちは)

字幕のない、僕たちは

(おもちゃのへいたいじゅうをかまえてはおろす)

玩具の兵隊　銃を構えては降ろす

(きみなんてきらいだったなんていったの)

『君なんて嫌いだった』なんて言ったの

(ないふをつきたてたくるしいのにさ)

ナイフを突き立てた　苦しいのにさ

(だれもそれをぬきはしない)

誰もそれを抜きはしない

(ねぇらいりーらいりーあなたとわたしはね)

『ねぇ、ライリー。ライリー。あなたと私はね、

(たすけあってわかりあったわすれあうべきなのに)

助け合って、解り合った。忘れ合うべきなのに。

(ねぇうそでもまぼろしでもなかったよ)

ねぇ、嘘でも幻でもなかったよ。

(きずあとはまだきえそうにないから)

傷跡はまだ、消えそうにないから。』

(またよるをまたいで)

また、夜を跨いで

(にげるあいだきみはまよってはだまって)

逃げる間、君は迷っては黙って

(らじおはただくうはくをゆるして)

ラジオはただ空白を許して

(ひとりがふたりいるだけそれだけだよ)

ひとりが二人いるだけ、それだけだよ

(つくられたいろのそらのしたわたしはここでなけるから)

造られた色の空の下、私は此処で泣けるから

(いって)

『行って』

(ねぇらいりーらいりーわたしはいつまでも)

『ねぇ、ライリー。ライリー。私はいつまでも、

(つよくなくてわらえなくてただじゅんせいなひとで)

強くなくて、笑えなくて、ただ純正な人で。

(あぁがらすなんかのようにすきとおる)

あぁ、ガラスなんかのように透き通る

(こころなんてさもっていなかったの)

心なんてさ、持っていなかったの。』

(あかいちがかよっていただけなの)

『赤い血が通っていただけなの。』

(ねぇらいりーらいりー)

『ねぇ、ライリー。ライリー？

(なまえをよんでいいかな)

名前を呼んでいいかな？

(きみをずっとつかんだってわすれてしまうくせに)

君をずっと掴んだって忘れてしまうくせに。

(ものくろのへやでわらいあった)

モノクロの部屋で笑い合った

(つづかないものがたりのしゅやくでいませんか)

続かない物語の主役でいませんか？』

(だきよせてはひたいをあわせた)

抱き寄せては額を合わせた

(ねぇらいりーあめがやんだよ)

『ねぇ、ライリー。雨が止んだよ。』