夢の記録②

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(とあるまちに、とてもおおきなふしぎなおやしきがあって、そこにはみのたけ)

とある街に、とても大きな不思議なお屋敷があって、そこには身の丈

(さんめーとるもあろうかというあるわかいおおおとこがすんでいました。)

三メートルもあろうかというある若い大男が住んでいました。

(そのおやしきのぐるりには、てんにものぼろうかというほどのへいがめぐらせてあって、)

そのお屋敷のぐるりには、天にも昇ろうかというほどの塀が巡らせてあって、

(いりぐちといえば、すみのしたのほうに、ちいさなかいてんしきのくぐりどがあるだけでした。)

入り口といえば、隅の下の方に、小さな回転式のくぐり戸があるだけでした。

(かれにはわるいまほうがかけられていて、そのすがたのままではいっぽもがいしゅつできず、)

彼には悪い魔法がかけられていて、その姿のままでは一歩も外出できず、

(くろいくものようなすがたでしかおやしきのそとにでることがかないませんでした。)

黒い雲のような姿でしかお屋敷の外に出ることがかないませんでした。

(しかしそんなかれには、とてもうつくしいかわいらしいおくさんがいて、ふたりはもともとは)

しかしそんな彼には、とても美しい可愛らしい奥さんがいて、二人は元々は

(おじとめいのかんけいで、ごくさいきん、せいしきなふうふとなりました。)

叔父と姪の関係で、ごく最近、正式な夫婦となりました。

(かのじょには、ふしぎなまほうのちからがありましたが、かのじょはあまりそのちからをつかうのが)

彼女には、不思議な魔法の力がありましたが、彼女はあまりその力を使うのが

(とくいではありませんでしたし、すこしうっかりやさんなところもあり、おおおとこは、)

得意ではありませんでしたし、少しうっかり屋さんなところもあり、大男は、

(かのじょがまほうのちからをつかうことを、あまりこころよくはおもっていませんでした。)

彼女が魔法の力を使う事を、あまり快くは思っていませんでした。

(かのじょはうたうことがだいすきで、がくせいじだいには、かしょうかいでそのうたごえをぜっさんされた)

彼女は歌う事が大好きで、学生時代には、歌唱会でその歌声を絶賛された

(こともあったほど、とてもじょうずでした。)

こともあったほど、とても上手でした。

(しかし、うまれてからかのじょのともだちとよべるものは、にんげんいがいのどうぶつたちだけで、)

しかし、生まれてから彼女の友達と呼べるものは、人間以外の動物たちだけで、

(おさないころがっこうの「おともだちにおてがみをかきましょう」というじゅぎょうで、ともだちの)

幼い頃学校の『お友達にお手紙を書きましょう』という授業で、友達の

(いなかったかのじょは、いちどもはなしたことのないいたずらっこのおとこのこにあてててがみを)

いなかった彼女は、一度も話した事のない悪戯っ子の男の子に宛てて手紙を

(かきました。かのじょはしかし、そのしょうねんとともだちになりたかったわけでは)

書きました。彼女はしかし、その少年と友達になりたかったわけでは

(なかったし、なにかじゅうようないみがあってそのしょうねんにてがみをあてたわけでも)

なかったし、何か重要な意味があってその少年に手紙を宛てたわけでも

(ありませんでした。てがみのないようは、ごくごくかんたんなあいさつと、しょめいだけでした。)

ありませんでした。手紙の内容は、ごくごく簡単な挨拶と、署名だけでした。

(ところがそれいらい、かのじょはそのしょうねんからながきにわたってしつこくつきまとわれる)

ところがそれ以来、彼女はその少年から長きに亘ってしつこく付き纏われる

など

(こととなりました。)

こととなりました。

(そのもといたずらっこは、けっこんしてからもたびたびそのおやしきにかのじょをたずねにやって)

その元悪戯っ子は、結婚してからもたびたびそのお屋敷に彼女を尋ねにやって

(きましたが、くもになったおおおとこが、いつもかれをおどかしておいはらっていました。)

来ましたが、雲になった大男が、いつも彼を脅かして追い払っていました。

(かのじょにとっておっとは、とてもたよりがいがあり、ときにはあにのようであり、)

彼女にとって夫は、とても頼り甲斐があり、時には兄のようであり、

(ときにはちちのようでもありました。)

時には父のようでもありました。

(ゆうぐれちかくなると、ひるのあいだにためておいたでんりょくをかいほうしなければならない)

夕暮れ近くなると、昼の間に溜めておいた電力を解放しなければならない

(のですが、だいたいのおうちは、せんもんのぎょうしゃへたのむのですが、このおやしきではいつも)

のですが、大体のお家は、専門の業者へ頼むのですが、このお屋敷ではいつも

(おおおとこがまかなっていました。こんなおおきなおやしきのことで、そのさぎょうはおおおとこにとって)

大男が賄っていました。こんな大きなお屋敷の事で、その作業は大男にとって

(みても、とてもほねのおれるものでした。かのじょはそのさぎょうだいのまえにたって、)

みても、とても骨の折れるものでした。彼女はその作業台の前に立って、

(きょうもそのめもりをよみました。「6.006008だっとる」このたんいは、)

今日もそのメモリを読みました。「6.006008ダットル」この単位は、

(そのしごとにつかわれたちからのたんいで、いのちをけずるたんいともいわれていました。)

その仕事に使われた力の単位で、命を削る単位とも言われていました。

(でんりょくかいほうのしごとのみならずなんでもすべてのことをたにんにたよらずじぶんでこなしていた)

電力解放の仕事のみならず何でもすべての事を他人に頼らず自分でこなしていた

(かのじょのちちは、このめもりが30になったときになくなりました。)

彼女の父は、このメモリが30になった時に亡くなりました。

(そのおやしきには、かげのようにはやくはしれるいっぴきのめすらいおんもすんでいました。)

そのお屋敷には、陰のように早く走れる一匹のメスライオンも住んでいました。

(このめすらいおんは、もとはおやしきでじゆうにくらしていたのですが、おおおとこが)

このメスライオンは、もとはお屋敷で自由に暮らしていたのですが、大男が

(けっこんしてからは、うっかりやさんのかのじょのおせわがかりのようになっていました。)

結婚してからは、うっかり屋さんの彼女のお世話係のようになっていました。

(あるひのこと、かのじょはへやのかたづけをしようとおもい、あまりとくいではないまほうを)

ある日の事、彼女は部屋の片づけをしようと思い、あまり得意ではない魔法を

(つかいました。かのじょのりょうてのゆびさきからおうごんにかがやくいとのようなものがいくえもあらわれ、)

使いました。彼女の両手の指先から黄金に輝く糸のようなものが幾重も現われ、

(きらきらとちゅうをまいはじめました。しかしちからのかげんをあやまって、そのまほうが)

キラキラと宙を舞い始めました。しかし力の加減を誤って、その魔法が

(おやしきのそとにでてしまいました。とおりのみせさきのかんばんや、ほうちされたじてんしゃや、)

お屋敷の外に出てしまいました。通りの店先の看板や、放置された自転車や、

(まちをゆきかうばすや、そらをとぶがんのむれまでも、あらゆるものをからめとり、)

街を行き交うバスや、空を飛ぶ鴈の群までも、あらゆるものを絡め取り、

(おやしきのなかがそれらでいっぱいになってしまいました。)

お屋敷の中がそれらでいっぱいになってしまいました。

(そのことでおっとにしかられ、かのじょはしょんぼりとしていえをでました。)

そのことで夫に叱られ、彼女はしょんぼりとして家を出ました。

(かのじょはがいしゅつするとき、いつもいっぽんのほそいちいさなつえをたずさえていました。)

彼女は外出する時、いつも一本の細い小さな杖を携えていました。

(それがないと、いりぐちのかいてんとびらにはねかえされて、おやしきにはいれないのです。)

それがないと、入り口の回転扉に跳ね返されて、お屋敷に入れないのです。

(とぼとぼとあるきながら、かのじょはそのつえをおとしてしまいます。が、しんぱいしてかのじょの)

とぼとぼと歩きながら、彼女はその杖を落してしまいます。が、心配して彼女の

(あとを、かげとなってついてきていためすらいおんがひろいあげてくれました。)

あとを、陰となって付いて来ていたメスライオンが拾い上げてくれました。

(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(えらくちょうじかんやってるなとおもったら、どうやら3じかんすぺしゃるだったようだ。)

えらく長時間やってるなと思ったら、どうやら3時間スペシャルだったようだ。

(ごご7じからはじまり、まだあと2じかんほどある。)

午後7時から始まり、まだあと2時間ほどある。

(そふぁのとなりにすわっていたははが、ちゃんねるをざっぴんぐしようとする。)

ソファの隣に座っていた母が、チャンネルをザッピングしようとする。

(「みてるのに」とわたしがいうと、ははは「みてたの」といったが、ちゃんねるをもどす)

「観てるのに」と私が言うと、母は「観てたの」と言ったが、チャンネルを戻す

(けはいがない。むっとして、りもこんをとりあげようとてをのばすと、)

気配がない。ムッとして、リモコンを取り上げようと手を伸ばすと、

(ひょいとそれをかわし、めをしょうめんのてれびにすえたまま、「きょうはあなたが)

ヒョイとそれをかわし、目を正面のテレビに据えたまま、「今日はあなたが

(しょっきをあらうひ」という。しんくのなかにはたべおえたあとのよごれたしょっきるいが)

食器を洗う日」と言う。シンクの中には食べ終えたあとの汚れた食器類が

(たくさんある。ためいきをつきながらも、とうばんせいのきまりだからしかたがない、)

たくさんある。溜め息をつきながらも、当番制の決まりだから仕方がない、

(とせきをたった。)

と席を立った。

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