夏目漱石「こころ」2-8

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投稿者投稿者たけしいいね0お気に入り登録
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夏目漱石「こころ」2-8
(中)両親と私
こっちゃん様が(上)の方を上げて下さっていたものの続きでございます。
タイピングを投稿するのは初めてですので、誤字脱字等ありましたらご連絡何卒宜しくお願い致します。

こっちゃん様による(上)
https://typing.twi1.me/profile/userId/86231
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 berry 7898 8.0 98.2% 234.1 1882 33 39 2024/04/03
2 ヤス 6973 S++ 7.5 93.1% 253.4 1907 140 39 2024/03/24
3 りく 6034 A++ 6.2 96.8% 314.5 1962 64 39 2024/04/05
4 とも 5437 B++ 6.2 87.9% 301.6 1899 259 39 2024/03/17
5 じゅんこ 5307 B++ 5.6 93.9% 336.1 1907 123 39 2024/04/06

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問題文

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(ろく)

(わたくしはあるほうゆうからてがみをうけとった。)

私はある朋友から手紙を受け取った。

(そのなかにちほうのちゅうがくきょういんのくちがあるがいかないかとかいてあった。)

その中に地方の中学教員の口があるが行かないかと書いてあった。

(このほうゆうはけいざいのひつようじょう、じぶんでそんないちをさがしまわるおとこであった。)

この朋友は経済の必要上、自分でそんな位地を探し廻る男であった。

(このくちもはじめはじぶんのところへかかってきたのだが、)

この口も始めは自分のところへかかって来たのだが、

(もっといいちほうへそうだんができたので、あまったほうをわたくしにゆずるきで、)

もっと好い地方へ相談が出来たので、余った方を私に譲る気で、

(わざわざしらせてきてくれたのであった。)

わざわざ知らせて来てくれたのであった。

(わたくしはすぐへんじをだしてことわった。)

私はすぐ返事を出して断った。

(しりあいのなかには、ずいぶんほねをおって、)

知り合いの中には、随分骨を折って、

(きょうしのしょくにありつきたがっているものがあるから、)

教師の職にありつきたがっているものがあるから、

(そのほうへまわしてやったらよかろうとかいた。)

その方へ廻して遣ったら好かろうと書いた。

(わたくしはへんじをだしたあとで、ちちとははにそのはなしをした。)

私は返事を出した後で、父と母にその話をした。

(ふたりともわたくしのことわったことにいぞんはないようであった。)

二人とも私の断った事に異存はないようであった。

(「そんなところへいかないでも、まだいいくちがあるだろう」)

「そんな所へ行かないでも、まだ好い口があるだろう」

(こういってくれるうらに、)

こういってくれる裏に、

(わたくしはふたりがわたくしにたいしてもっているかぶんなきぼうをよんだ。)

私は二人が私に対して有っている過分な希望を読んだ。

(うかつなちちやははは、)

迂闊な父や母は、

(ふそうとうなちいとしゅうにゅうとを)

不相当な地位と収入とを

(そつぎょうしたてのわたくしからきたいしているらしかったのである。)

卒業したての私から期待しているらしかったのである。

(「そうとうのくちって、ちかごろじゃそんなうまいくちはなかなかあるものじゃありません。)

「相当の口って、近頃じゃそんな旨い口は中々あるものじゃありません。

など

(ことににいさんとわたくしとはせんもんもちがうし、じだいもちがうんだから、)

ことに兄さんと私とは専門も違うし、時代も違うんだから、

(ふたりをおなじようにかんがえられちゃすこしこまります」)

二人を同じように考えられちゃ少し困ります」

(「しかしそつぎょうしたいじょうは、)

「然し卒業した以上は、

(すくなくともどくりつしてやっていってくれなくっちゃこっちもこまる。)

少くとも独立して遣って行ってくれなくっちゃ此方も困る。

(ひとからあなたのところのごじなんは、)

人からあなたのところの御二男は、

(だいがくをそつぎょうなすってなにをしておいでですか)

大学を卒業なすって何をして御出でですか

(ときかれたときにへんじができないようじゃ、おれもかたみがせまいから」)

と聞かれた時に返事が出来ない様じゃ、おれも肩身が狭いから」

(ちちはしゅうめんをつくった。)

父は渋面をつくった。

(ちちのかんがえはふるくすみなれたきょうりからそとへでることをしらなかった。)

父の考えは古く住み慣れた郷里から外へ出る事を知らなかった。

(そのきょうりのだれかれから、)

その郷里の誰彼から、

(だいがくをそつぎょうすればいくらくらいげっきゅうがとれるものだろうときかれたり、)

大学を卒業すればいくら位月給が取れるものだろうと聞かれたり、

(まあひゃくえんくらいなものだろうかといわれたりしたちちは、)

まあ百円位なものだろうかと云われたりした父は、

(こういうひとびとにたいして、がいぶんのわるくないように、)

こういう人々に対して、外聞の悪くないように、

(そつぎょうしたてのわたくしをかたづけたかったのである。)

卒業したての私を片付けたかったのである。

(ひろいみやこをこんきょちとしてかんがえているわたくしは、ちちやははからみると、)

広い都を根拠地として考えている私は、父や母から見ると、

(まるであしをそらにむけてあるくきたいなにんげんにことならなかった。)

まるで足を空に向けて歩く奇体な人間に異ならなかった。

(わたくしのほうでも、じっさいそういうにんげんのようなきもちをおりおりおこした。)

私の方でも、実際そういう人間のような気持を折々起した。

(わたくしはあからさまにじぶんのかんがえをうちあけるには、)

私はあからさまに自分の考えを打ち明けるには、

(あまりにきょりのけんかくのはなはだしいちちとははのまえにもくねんとしていた。)

あまりに距離の懸隔の甚しい父と母の前に黙然としていた。

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