生命線

(ぼくはせんじつしにました)

僕は先日死にました

(ふりょのじこでいのちおとしました)

不慮の事故で命落としました

(そんなぼくのはなしをわずかばかりきいてはくれないかい)

そんな僕の話をわずかばかり聞いてはくれないかい？

(すてきなひととこどくをのこし)

素敵な人と孤独を残し

(からだからぬけだしたぼくだけど)

身体から抜け出した僕だけど

(なぜだかまだいきているみたいに)

なぜだかまだ生きているみたいに

(いっぽうしろでみまもる)

一歩後ろで見守る

(きみからはみえないぼくがいて)

君からは見えない僕がいて

(ぼくからはみえるきみがいわかんで)

僕からは見える君が違和感で

(そんなときむかしふたりでいった)

そんな時昔二人で行った

(うらないしのせりふがふとあたまをよぎる)

占い師のセリフが　ふと頭をよぎる

(あなたたちふたりはすえながく)

あなたたち二人は末長く

(おしあわせになるといわれてさ)

お幸せになると言われてさ

(もともとうらないはしんじないほう)

元々占いは信じない方

(だったからべつにいいんだけど)

だったから別に良いんだけど

(いのちをおとせばかんじょうが)

命を落とせば感情が

(わきでてこないといわれてきたのに)

湧き出てこないと言われてきたのに

(きみのなきがおをみていたら)

君の泣き顔を見ていたら

(ないはずのしんぞうがつよくいたんだ)

無いはずの心臓が強く痛んだ

(かれはせんじつしにました)

彼は先日死にました

(わたしひとりおいてたびだちました)

私一人置いて旅立ちました

(もしほんとうにかみさまがいるなら)

もし本当に神様がいるなら

(なんでかれなんですか)

なんで彼なんですか？

(いやだななんだかつかれてきた)

イヤだな何だか疲れてきた

(なんにもてにつかないひびだよ)

何にも手につかない日々だよ

(こんなせいかつじゃかれはおこるかな)

こんな生活じゃ彼は怒るかな

(あぁそっかもういない)

あぁそっかもういない

(わたしからみえないきみはどこ)

私から見えない君は何処？

(きみからはわたしがみえてるのかな)

君からは私が見えてるのかな？

(いっしょにいたときよりもあなたが)

一緒にいた時よりもあなたが

(たいせつなきがして)

大切な気がして

(またなみだがおちた)

また涙が落ちた

(こんなことがまさかおきるなんて)

こんな事がまさか起きるなんて

(おもってなかったけどきづいた)

思ってなかったけど気づいた

(いまさらだなとかおもうけどこれだけ)

今更だなとか思うけどこれだけ

(あなたのことがだいすきで)

あなたの事が大好きで

(まだまだふたりでやりたいことが)

まだまだ二人でやりたいことが

(いっぱいあったのにくやしいな)

いっぱいあったのに悔しいな

(むしろけんかだってたりない)

むしろ喧嘩だって足りない

(もうなにもできないとそらにさけんだ)

もう何もできないと空に叫んだ

(かなしくてつらくてあなたのもとへ)

悲しくて辛くてあなたの元へ

(わたしがいこうとしていたときに)

私が行こうとしていた時に

(あなたのことばがきこえたきがした)

あなたの言葉が聞こえた気がした

(いままでなんどもなまえをよんでも)

今まで何度も名前を呼んでも

(きみにはとどかなかったのに)

君には届かなかったのに

(このときとどいたこえでかなしみが)

この時届いた声で悲しみが

(どこかへとんでいったんだ)

どこかへ飛んで行ったんだ

(おねがいどうかしあわせになって)

お願いどうか幸せになって

(ぼくはずっとここにいるから)

僕はずっとここにいるから

(きみのなきがおはみたくない)

君の泣き顔は見たくない

(かのじょはわらってつよくはいといった)

彼女は笑って　強く「はい」と言った

(むかしいったうらないしのせりふのいみがやっとわかりました)

昔行った占い師のセリフの意味がやっと分かりました

(いまでもふたりはすごくしあわせで)

今でも二人はすごく幸せで

(そろそろしんじてみようかな)

そろそろ信じてみようかな