四季折々に揺蕩いて

(みなかみからはなはみちもせに)

水上から 花は道も狭に

(こもれびがあしをとめたらそこでおわかれ)

木漏れ日が足を止めたら　其処でお別れ

(くちにのこるずっとすきでした)

口に残る ずっと好きでした

(こいこがれているじかんなどぼくにないのだ)

恋い焦がれている時間など　ボクにないのだ

(まちがってもまちがっても)

「間違っても 間違っても

(きみはこいしちゃいけないよ)

君は恋しちゃいけないよ」

(ばれないようにみみうちした)

バレないように耳打ちした

(あのひははるかのそら)

あの日は遥かの空

(よざくらよまえおどれ)

夜桜よ舞え 踊れ

(ゆめとうたよみどりをのせて)

夢と歌詠鳥を乗せて

(あすなきはるまでいけ)

翌（あす）なき春まで行け

(たとえきみがわすれてしまっても)

たとえ君が忘れてしまっても

(すずかぜよまえおどれ)

涼風よ舞え 踊れ

(なつとあせばむきみのかみがくもにかくれても)

夏と汗ばむ君の髪が雲に隠れても

(ずっとみとれたい)

ずっと見惚れたい

(きせつのおりおりにて)

季節の折々にて

(あやすようにとぎしてくれたよは)

あやすように 伽（とぎ）してくれた夜は

(すくえどもゆびのすきまを)

掬えども指の隙間を

(するりとけていく)

するり溶けていく

(きみにふれてやさしくされてから)

君に触れて 優しくされてから

(まちのぞんでいたきせつが)

待ち望んでいた季節が

(いたずらにすぎる)

いたずらに過ぎる

(まちがったなまちがったな)

間違ったな 間違ったな

(きみにこいしてしまったな)

君に恋してしまったな

(あまいものはもういらないくらい)

甘いものはもういらないくらい

(すきみたいです)

好きみたいです

(あきさめよまえおどれ)

秋雨よ舞え 踊れ

(はくていとりちのしらべ)

白帝と律（りち）の調べ

(ほおのしたもみじあまもよい)

頬の下紅葉 雨催い

(うれいをかさでよりそうりゆうに)

憂いを 傘で寄り添う理由に

(かざはなよまえおどれ)

風花よ舞え 踊れ

(よるのしじまをつれて)

夜の静寂を連れて

(そのてひだりのぽっけにいれたら)

その手 左のぽっけに入れたら

(よりそおう)

寄り添おう

(きせつのおりおりにて)

季節の折々にて

(しきおりおりのかぜがきみをすてきにかざる)

四季折々の風が 君を素敵に飾る

(とおいゆめのまたゆめへ)

遠い夢のまた夢へ

(ぼくをつれていってよ)

ボクを連れて行ってよ

(はるとくろかみなつのあさせ)

春と黒髪 夏の浅瀬

(あきいろのほおふゆはねおきのわるいきみも)

秋色の頬 冬は寝起きの悪い君も

(ぼくはぼくはどれもすきだったよ)

ボクは ボクは どれも好きだったよ

(さんしすいめいそまるきみと)

山紫水明 染まる君と

(ひゃっかりょうらんのひびよ)

百花繚乱の日々よ

(きおくのかなたへ)

記憶の彼方へ

(ずっとみとれたいずっとさわりたい)

ずっと見惚れたい　ずっと触りたい

(さよならさよなら)

さよなら さよなら

(きせつのおりおりにて)

季節の折々にて