HIROMI　　柴田淳

(こんなようちなうそでおわった)

こんな幼稚な嘘で　終わった

(ふたりでつくったすべてがからからにかわいてく)

二人で作った　すべてが　カラカラに乾いてく

(みぬかれてないとおもってる)

見抜かれてないと　思ってる

(そのていどしかつうじあえてなかった)

その程度しか　通じ合えてなかった

(めをみてしぐさで)

目を見て　仕草で

(みなりでとうにきづいてたのよ)

身なりで　とうに気づいてたのよ

(きみのみらいのためにきみのえがおのために)

“君の未来のために　君の笑顔のために

(ぼくはいますぐきみのまえからきえるなんて)

僕は今すぐ　君の前から消える”　なんて

(はっきりいえばいいのにすきとおるそのむね)

はっきり言えばいいのに　透き通る　その胸

(わたしのためなんかじゃない)

私のため　なんかじゃない

(さいごのきすといってなみだまでながして)

最後のキスと言って　涙まで流して

(まるでじぶんがいちばんふこうなかおしてる)

まるで自分が一番　不幸な顔してる

(あしたからきがねせずあのこにあうために)

明日から気兼ねせず　あの子に会うために

(そこまでするあなたにほほえんであげたの)

そこまでする　あなたに　微笑んであげたの

(むなしさだけがここにのこって)

虚しさだけが　ここに残って

(すてきなおもいでにさえさせてくれなかったね)

ステキな思い出にさえ　させてくれなかったね

(のこされたかっぷをみつめた)

残されたカップを　見つめた

(ずっとずっとずっとみつめていた)

ずっと　ずっと　ずっと　見つめていた

(かろやかなあしおとがきこえなくなるまで)

軽やかな足音が　聞こえなくなるまで

(きみのみらいのためにきみのえがおのために)

“君の未来のために　君の笑顔のために

(ぼくはいますぐきみのまえからきえるなんて)

僕は今すぐ　君の前から消える”　なんて

(みえすいたうそついてきらいにさせたって)

見え透いた嘘ついて　嫌いにさせたって

(おもいたいよおもわせてよ)

思いたいよ　思わせてよ

(あなたしかみえなくてむちゅうでこいをしたわたし)

あなたしか見えなくて　夢中で恋をした私

(かわいそうでかわいくてなみだがとまらない)

かわいそうで可愛くて　涙が止まらない

(しあわせそうなあなたはまだみれそうにない)

幸せそうな　あなたは　まだ見れそうにない

(もうつよくはなれないだれかだきしめてて)

もう強くは　なれない・・・　誰か抱きしめてて

(いつかくれたゆびわはさいずがあわなかった)

いつかくれた指輪は　サイズが合わなかった

(ぶかぶかでおもたくて)

ブカブカで重たくて・・・

(でもそれでよかった)

でも　それでよかった

(ぶきようにさわがしいくすりゆびをいつも)

不器用に騒がしい　薬指を　いつも

(いじることがすきだったの)

いじることが　好きだったの

(みっともなくなるほどあなたをあいしたわたしを)

みっともなくなるほど　あなたを愛した私を

(いつかゆるせるときがくればいいとおもう)

いつか許せる時が　来ればいいと思う

(なにかをさがすようにときどきしゃべりだす)

何かを探すように　時どき　しゃべり出す

(くすりゆびがだれかをわすれてくれなくても)

薬指が誰かを　忘れてくれなくても・・・