林檎花火とソーダの海

(ほらゆかいさゆかいせったをはいて)

ほら愉快さ愉快　雪駄を履いて

(ひょうしぎをうてばよるがくる)

拍子木を打てば夜が来る

(おまつりさわぎとびはねるねこ)

お祭り騒ぎ飛び跳ねる猫

(うさぎのかおしたまとあてや)

うさぎの顔したマト当て屋

(げらげらわらうきみはちをのんで)

ゲラゲラ笑う君は血を飲んで

(ながむぎょうれつはこおりうり)

眺む行列は氷売り

(へいわにくるまったなつまつり)

平和に包まった　夏祭り

(せかいじゅうにぼうりょくがあふれかえった)

世界中に暴力が溢れかえった

(それがあたりまえのようにつきよはめぐる)

それが当たり前のように　月夜は廻る

(いじめたもんがちせんじゃふだきんぎょすくい)

いじめたもん勝ち　千社札　金魚すくい

(こんなのおかしいよなんてだれもいわない)

「こんなのおかしいよ」　なんて誰も言わない

(だれかのなみだでできたそーだをのんで)

誰かの涙でできたソーダを飲んで

(わらえるようなおとなになりたくないな)

笑えるような大人になりたくないな

(ほらおおきくてをたたけきみのあしもとに)

ほら大きく手を叩け　君の足元に

(だれもちかづかないように)

誰も近づかないように

(ゆかいさゆかいせったをはいて)

愉快さ愉快　雪駄を履いて

(ひょうしぎをうてばよるがくる)

拍子木を打てば夜が来る

(えがおをしらないみなしごしょうじょ)

笑顔を知らないみなしご少女

(つまづいてころんだ)

つまづいて転んだ

(げらげらわらうきみはちをのんで)

ゲラゲラ笑う君は血を飲んで

(さしのべるてにはどくをもつ)

差し伸べる手には毒をもつ

(これがげんじつだぜたかわらい)

「これが現実だぜ」　高笑い

(せいぎのかおしてあいをうたえたら)

正義の顔して愛を唄えたら

(にんきものになれたかなみかえせたかな)

人気者になれたかな　見返せたかな

(このかたぬきじんせいでまちがえたら)

この型抜き人生で間違えたら

(ぼくのあしたなんてばらばらでおわり)

僕の明日なんてバラバラで終わり

(このよにぶらさげられたいとひきくじは)

この世にぶらさげられた糸引きくじは

(きゅうじゅうきゅうがじごくでひとつをうばいあうんだ)

九十九が地獄で　一つを奪い合うんだ

(ほらおおきくてをたたけきみのあしもとに)

ほら大きく手を叩け　君の足元に

(だれもちかづかないように)

誰も近づかないように

(いじめられることになれたから)

いじめられることに慣れたから

(きずついたふりばかりうまくなる)

傷ついたフリばかり上手くなる

(なくひとなかされるひとなかしわらうひと)

泣く人　泣かされる人　泣かし、笑う人

(きみのゆめをみてはこけおどし)

君の夢を見ては虚仮威し

(ばかにするおとながいるんだよ)

馬鹿にする大人がいるんだよ

(ぼくらはそんなあいぞうのあふれたあすはすてよう)

僕らは　そんな愛憎の溢れた明日は捨てよう

(かなしいおはなしばかりうまれたわけを)

悲しいお話ばかり生まれた理由（わけ）を

(ぼくもしらないふりしていきてきたんだ)

僕も知らないフリして　生きてきたんだ

(ほらおおきくてをたたけ)

ほら大きく手を叩け

(きみのあしもとはきみだけにあるべきもの)

君の足元は君だけにあるべきもの

(だれかのなみだでできたそーだをのんで)

誰かの涙でできたソーダを飲んで

(わらえるようなおとなになりたくないな)

笑えるような大人になりたくないな

(ほらおおきくてをたたけきみのあしもとに)

ほら大きく手を叩け　君の足元に

(だれもちかづかないように)

誰も近づかないように

(もうだれもしんじぬように)

もう誰も信じぬように