哀しみのチンフェ

問題文
(げんじつせかいでおもうようなにんげんかんけいがつくれず)
現実世界で思うような人間関係が作れず
(じこしゅちょうのばをほっしたけっかたどりついたねっと)
自己主張の場を欲した結果たどり着いたネット
(いっぱんにとくめいでたのしむけいじばん)
一般に匿名で楽しむ掲示板
(あえてこてをつけてのりこむ)
敢えてコテをつけて乗り込む
(それからそこがいばしょになった)
それからそこが居場所になった
(きらわれながらもそんざいがみとめられ)
嫌われながらも存在が認められ
(きょうしつではさびしげにすごすひび)
教室では寂しげに過ごす日々
(しかしそこではとくいげにじぶんをかたる)
しかしそこでは得意気に自分を語る
(はじめてかのじょができたこと)
初めて彼女ができたこと
(きらいなどうきゅうせいたちのこと)
嫌いな同級生たちのこと
(みせいねんでいんしゅをしたこと)
未成年で飲酒をしたこと
(ともだちをななにんもとめたこと)
友達を7人も泊めたこと
(このたかずかずのぶゆうでん)
この他数々の武勇伝
(かたるないようはほとんどうそ)
語る内容はほとんど嘘
(それでもかれはまんぞくだった)
それでも彼は満足だった
(しかしこれがのちにあだとなる)
しかしこれが後に仇となる
(こまぎれにだされたじょうほうを)
細切れに出された情報を
(みずからがつけたこてがすべてむすび)
自らがつけたコテが全て結び
(おいつめられてついにとくてい)
追い詰められてついに特定
(しょうどうではっしたことばたちが)
衝動で発した言葉たちが
(みずからのくびをしめあげる)
自らの首を締め上げる
(かれへのしうちはまだつづく)
彼への仕打ちはまだ続く
(せっぱつまっておもいついたのは)
切羽詰まって思いついたのは
(べんごしにそうだんというせんたくし)
弁護士に相談という選択肢
(しょうどうでかけこんだそのさきは)
衝動で駆け込んだその先は
(ざんねんながらむのうべんごし)
残念ながら無能弁護士
(たいきんたたいてやとったはいいが)
大金叩いて雇ったはいいが
(さわぎはちんかどころかさらにもえる)
騒ぎは鎮火どころかさらに燃える
(そのひがきえることはなく)
その火が消えることはなく
(かれのあやまちはねっとのうみにのこりつづける)
彼の過ちはネットの海に残り続ける