OZ

(あしでまといにならぬように)

足手まといにならぬように

(みんながめくじらたてぬように)

みんなが目くじらたてぬように

(はたからしぜんにみえるように)

傍から自然に見えるように

(きみはふしぜんにわらう)

君は不自然に笑う

(たいようがよぞらをたべるように)

太陽が夜空を食べるように

(つきがまひるにささるように)

月が真昼に刺さるように

(くすりがもうどくにそまるまえに)

薬が猛毒に染まる前に

(ぼくはふこうなうたをうたう)

ぼくは不幸なうたを歌う

(きみもおとしものをしていること)

君も落とし物をしていること

(こっそりきづいている)

こっそり気づいている

(むじゃきにやんだそのやさしさに)

無邪気に病んだ　その優しさに

(ぶきようなひかりみつけたから)

不器用な光　見つけたから

(ずっとひとまえじゃしっぱいつづきだった)

ずっと他人前じゃ失敗続きだった

(しょぼいまほうも)

しょぼい魔法も

(きみのまえだけでなら)

君の前だけでなら

(ちゃんとうまくかたちにできそうなんだ)

ちゃんとうまくカタチにできそうなんだ

(しゃべればうらがわをさぐるように)

喋れば裏側を探るように

(だまればかおいろうかがうように)

黙れば顔色伺うように

(そんなものがたりうめるように)

損な物語埋めるように

(くうそうだきしめてわらう)

空想　抱きしめて笑う

(ぼくがさがしものをみつけたこと)

ぼくが探し物を見つけたこと

(はっきりつたえなくちゃ)

はっきり伝えなくちゃ

(ぶざまなすがたをゆるされるたび)

無様な姿を許されるたび

(もうすこしあるけるとおもえたから)

もう少し歩けると思えたから

(ずっとひとまえじゃしっぱいつづきだった)

ずっと他人前じゃ失敗続きだった

(しょぼいまほうが)

しょぼい魔法が

(よるのこどくをとかして)

夜の孤独を溶かして

(ふたりにてるせかいをわけあえたような)

ふたり　似てる世界を分け合えたような

(でもたりないことばぬりたくっても)

でも　足りない言葉　塗りたくっても

(べつのゆめをみているきみに)

別の夢を見ている君に

(ぼくのゆめはかさならなかった)

ぼくの夢は重ならなかった

(そんなのきづいていたけれど)

そんなの　気づいていたけれど

(すぐにつきひをへて)

すぐに　月日を経て

(いみをなさなくなるもろいまほうは)

意味をなさなくなる脆い魔法は

(すなばのおしろのようにまだそこにあって)

砂場のお城のようにまだそこにあって

(ずっとひとまえじゃしっぱいつづきだった)

ずっと他人前じゃ失敗続きだった

(しょぼいまほうも)

しょぼい魔法も

(きみのまえだけでなら)

君の前だけでなら

(ちゃんとうまくかたちにできそうだった)

ちゃんとうまくカタチにできそうだった

(あしでまといになったとしても)

足手まといになったとしても

(みんながめくじらたてたとしても)

みんなが目くじらたてたとしても

(はたからふしぜんにみえるけれど)

傍から不自然に見えるけれど

(ぼくたちはしぜんにわらう)

ぼくたちは自然に笑う

(べつべつのばしょでしぜんにわらう)

別々の場所で　自然に笑う