にんげんマスク

(どすぐろくさびついたあめにうたれてだいたいひとつのいのりをくりかえしてる)

どす黒く錆びついた雨に打たれて 大体ひとつの祈りを繰り返してる

(とびかうばせいといしころ)

飛び交う罵声と石コロ

(にげだしてきょうもただれたかおでなみだをながしてる)

逃げ出して今日も爛れた顔で涙を流してる

(あめのひはきらいだなうつむいたらほらみずたまりにうつるものにはきけがする)

雨の日は嫌いだな 俯いたらほら 水溜りに映るモノに吐き気がする

(もうろくにひらかないすえたくちびるでまいどひとつのいのりをくりかえしてる)

もうロクに開かない饐えた唇で 毎度 ひとつの祈りを繰り返してる

(なりたいねぇなりたい)

なりたい！ねぇなりたい！

(にんげんみたいなかおになりたい)

人間みたいな顔になりたい！

(みにくいすはだをはぎとってすげかえてしまいたい)

醜い素肌を剥ぎ取って挿げ替えてしまいたい！

(くらがりにひとりきり)

暗がりにひとりきり

(なきじゃくるこどもをだきしめるははのくつのうらのむしにはだれもきづかない)

泣きじゃくる子供を抱きしめる母の靴の裏の虫には誰も気付かない

(こびへつらううわっつらばけもののすまいる)

媚びへつらう上っ面バケモノのスマイル

(きょうもひとつのいのりをくりかえしてる)

今日もひとつの祈りを繰り返してる

(なりたいねぇなりたい)

なりたい！ねぇなりたい！

(にんげんみたいなかおになりたい)

人間みたいな顔になりたい！

(みにくいすはだをはぎとってすげかえてしまいたい)

醜い素肌を剥ぎ取って挿げ替えてしまいたい！

(ころされつづけてきてそれでもあいされたいのならば)

殺され続けてきて それでも愛されたいのならば

(やりかたはもうひとつしかないの)

やりかたはもう ひとつしかないの

(どすぐろくさびついたあめにうたれてだいたいひとつのいのりをくりかえしてる)

どす黒く錆びついた 雨に打たれて 大体ひとつの祈りを繰り返してる

(とびかうばせいといしころばけもののすまいる)

飛び交う罵声と石コロ バケモノのスマイル

(ただれたかおのはしをゆがめている)

爛れた顔の端を歪めている

(なりたいねぇなりたい)

なりたい！ねぇなりたい！

(にんげんみたいなかおになりたい)

人間みたいな顔になりたい！

(よこせそのかおはぎとってすげかえてしまいたい)

寄越せその顔 剥ぎ取って挿げ替えてしまいたい！

(くらがりにひとりきりにんげんがたっていた)

暗がりにひとりきり「人間」が立っていた