だらしない愛し方

(ほうたいをしているあたしのてくびは)

包帯をしている　あたしの手首は

(こいしたかずだけしるしがある)

恋した数だけ印がある

(「きのういったことばをきょうおぼえているとはかぎらない」)

「昨日言った言葉を　今日　覚えているとは限らない」

(「きのぬけたこーらはいちどわかれたおとことのきすみたいなあじがする」)

「気の抜けたコーラは　一度別れた男とのキスみたいな味がする」

(「ねえけんかするならこうかせんのしたででんしゃがとおったときにしようよ」)

「ねえ　喧嘩するなら　高架線の下で電車が通った時にしようよ」

(なんてさいてー)

なんて　サイテー

(ぺらぺらしゃべりすぎて)

ペラペラ喋り過ぎて

(じぶんのことがきらいになる)

自分のことが嫌いになる

(こうみえてあのころはね)

こう見えて　あの頃はね

(むくちだったんだよ)

無口だったんだよ

(だらしないあいしかたで)

だらしない愛し方で

(じぶんをきずつけた)

自分を傷つけた

(どうでもいいぷらいどのせいで)

どうでもいいプライドのせいで

(だらしないゆるしかたで)

だらしない許し方で

(いまでもいきている)

今でも生きている

(こうかいなんてむえんでごめん)

後悔なんて無縁でごめん

(ｔしゃつをぬげないちぶさにのこした)

Tシャツを脱げない　乳房に残した

(わかれたおとこのみれんのきすまーく)

別れた男の未練のキスマーク

(「いつかみたゆめのつづきはもううちきりらしいし」)

「いつか見た夢の続きは　もう打ち切りらしいし」

(「べっどにねころがったときにみえるてんじょうのもようになにかいみがあるのかな」)

「ベッドに寝転がった時に見える天井の模様に何か意味があるのかな」

(「そうどしゃぶりのあめにずぶぬれになるきかいをまっているんだ」)

「そう土砂降りの雨にずぶ濡れになる機会を待っているんだ」

(ひとりつぶやく)

1人　呟く

(よのなかめんどうだから)

世の中面倒だから

(たにんのことはむししようか)

他人のことは無視しようか

(いつだってじぶんかって)

いつだって　自分勝手

(しんだっていいんだ)

死んだっていいんだ

(だらしないわかれかたで)

だらしない別れ方で

(だれかがあきれてる)

誰かがあきれてる

(おもいつきのかんじょうのせいで)

思いつきの感情のせいで

(なさけないくやみかたで)

情けない悔やみ方で

(しょうがいまけいぬだ)

生涯　負け犬だ

(それでもあいにしたうちしてる)

それでも愛に舌打ちしてる

(だらしないあいしかたで)

だらしない愛し方で

(じぶんをきずつけた)

自分を傷つけた

(どうでもいいぷらいどのせいで)

どうでもいいプライドのせいで

(だらしないわすれかたで)

だらしない忘れ方で

(よけいにおちていく)

余計に落ちていく

(まんしんそういもあたしのじんせい)

満身創痍もあたしの人生