jester

(せいじゃくをまとったぶたいふりぎあのなかでおどる)

静寂を纏った舞台　フリギアの中で踊る

(こよいふたりえんじるのはうつくしいこいのすとーりー)

今宵ふたり演じるのは　「美しい恋の物語」

(せいじゃのかめんをはぎゆうげまでよびいだす)

聖者の仮面を剥ぎ　遊戯まで呼び出だす

(よるをまうろういとのいろでかきたててくれ)

夜を舞う蝋色の糸で　掻き立ててくれ

(いざないのどうけしにさあくちづけてゆりおこしたねつをだいて)

誘いの道化師にさあ口づけて　揺り起こした熱を抱いて

(ほだされたかなしみがじゃまするならせめていまはぼうきゃくのなかできみにこがれて)

絆された愛しみが邪魔するなら　せめて今は忘却の中で君に焦がれて

(まばたきがおえるころにはしんじつだけをうたって)

瞬きが終える頃には　真実だけを謳って

(きそくてきなゆめのなかでなにひとつもかたれずに)

規則的な夢の中で何一つも騙れずに

(せいじゃははいとくにゆびさしわらうだけ)

聖者は背徳に　指差し笑うだけ

(うつろにかえるまくあいをさまよいながら)

虚ろに還る幕間を　彷徨いながら

(おぼれてくどうけしにさあくちづけてうそでもかまわないあいして)

溺れてく道化師にさあ口づけて　嘘でも構わない愛して

(のこされたげきじょうものみこむならあわになるいきもできぬままきみをわすれていく)

残された激情も飲み込むなら　泡になる息も出来ぬまま君を忘れていく

(いざないのどうけしにさあくちづけてゆりおこしたねつをだいて)

誘いの道化師にさあ口づけて　揺り起こした熱を抱いて

(ほだされたかなしみがじゃまするならせめていまはぼうきゃくのなかで)

絆された愛しみが邪魔するなら　せめて今は忘却の中で

(こわれてくどうけしにさあくちづけてとぎれゆくしらべをなでて)

壊れてく道化師にさあ口づけて　途切れゆく調べを撫でて

(しあわせのしゅうえんをかなでながらふきあげるかざおとのなかであいにないたｊｅｓｔｅｒ)

幸福の終曲を独奏でながら　吹き上げる風音の中で愛に哭いたjester