さようならを君に

(みなれたよるいつものみせでまちあわせ きらめくまちぬけて)

見慣れた夜いつもの店で待ち合わせ 煌めく街抜けて

(ひとりのときとちがってすきじゃないふりをしてる かんけいがきれないように)

一人の時間と違って好きじゃないフリをしてる 関係が切れないように

(だれもはいりこめない このゆめがとわにつづけば)

誰も 入り込めない この夢が永遠に続けば

(いつかくすりゆびのゆびわもけせるのかな)

いつか 薬指の指輪も消せるのかな

(ずっとはなさないはなさないとねがったって とどくことのないままきょうもみおくるだけ)

ずっと離さない離さないと願ったって 届くことの無いまま今日も見送るだけ

(かなわないかなわないとわかっていて)

叶わない叶わないと分かっていて

(それでもとなりにいたいのはさようならをきみにいえないから)

それでも隣にいたいのはさようならを君に言えないから

(きまってゆういいひとはまだいないの わらってかえすいないよ)

決まって言う「良い人はまだいないの？」 笑って返す「いないよ」

(ふたりけしてあいいれないげんじつをうけとめるより)

二人 決して相容れない現実を受け止めるより

(ひとりあるくみらいのほうがつらくけわしい)

独り 歩く未来のほうが辛く険しい

(ずっとはなさないはなさないとすがったって みたされたはずのしあわせがこぼれるだけ)

ずっと離さない離さないと縋ったって 満たされたはずの幸せが零れるだけ

(かなわないかなわないとわかっていて このままつづけられないからすべてをつたえよう)

敵わない敵わないと分かっていて このまま続けられないから全てを伝えよう

(さいごのよるになってもかまわないまくをひこう かくごをきめてよびとめる)

最後の夜になっても構わない幕を引こう 覚悟を決めて呼び止める

(しぼりだしたひとことは)

絞りだした一言は

(ゆうはずのあいしてるじゃなくていつもとかわらないそれじゃまたね)

言う筈の「愛してる」じゃなくて いつもと変わらない「それじゃ、またね」

(ずっとつたえたいつたえたいとねがったって とどくことのないままきょうもみおくるだけ)

ずっと伝えたい伝えたいと願ったって 届くことのないまま今日も見送るだけ

(かなわないかなわないとわかっていて)

叶わない叶わないと分かっていて

(きみといっしょにわらえるのはさようならをきみにいえないから)

君と一緒に笑えるのはさようならを君に言えないから

(いわないまま)

言わないまま