魔法

(きみがひとつねがえばつきがかげをおとした)

君がひとつ願えば　月が影を落とした

(まほうみたいなよるはきっととけてしまう)

魔法みたいな夜はきっと　溶けてしまう

(こえはすきとおるようかぜがよるをしらせた)

声は透き通るよう　風が夜を知らせた

(あおいせかいのすべてがおとぎのなかにねむる)

蒼い世界の全てが　おとぎの中に眠る

(きみはまどろみのなかとじたまぶたをひらいた)

君は微睡みの中　閉じた瞼を開いた

(ぼくがおもうよりもずっとかすんでしまうな)

僕が思うよりもずっと霞んでしまうな

(このこえがとどくなら)

この声が届くなら

(こたえなどないそれでもいたいな)

答えなどないそれでも居たいな

(ものがたりをおわらせたくはないさ)

物語を終わらせたくはないさ

(このよるをこえてゆけ)

この夜を越えてゆけ

(あなたとならことばはいらないさ)

あなたとなら言葉はいらないさ

(だからいまはぬくもりをたしかめあいたくて)

だから　今は温もりを確かめあいたくて

(どうかさめないゆめをみさせてよ)

どうか覚めない夢を見させてよ

(そのてをぼくらははなさずに)

その手を僕達は　離さずに

(そっとねがう)

そっと願う

(ゆうなぎをおもえばあやなすあおのそら)

憂凪を想えば　綾なす蒼の空

(ひとしずくこぼれたなみだもすくえやしなくて)

一雫零れた涙も掬えやしなくて

(きみといたじかんもきみとみたけしきも)

君と居た時間も　君と見た景色も

(まぼろしのようにとかしてとかしてしまう)

幻のように溶かして　溶かしてしまう

(ふねをこぐようにたゆたうこころに)

船を漕ぐように　揺蕩う心に

(まちははなあかりかげにわすれさき)

街は花明かり　影に忘れ咲き

(よあけのまえのかぜにふかれて)

夜明けの前の風に吹かれて

(いまだけはただこうしていたいから)

今だけは　ただこうしていたいから

(このこえがとどくなら)

この声が届くなら

(このよるをこえてゆけ)

この夜を越えてゆけ

(このこえがとどくなら)

この声が届くなら

(こたえなどないそれでもいたいな)

答えなどないそれでも居たいな

(ものがたりをおわらせたくはないさ)

物語を終わらせたくはないさ

(このよるをこえてゆけ)

この夜を越えてゆけ

(あなたとならことばはいらないさ)

あなたとなら言葉はいらないさ

(だからいまはぬくもりをたしかめあいたくて)

だから　今は温もりを確かめあいたくて

(どうかさめないゆめをみさせてよ)

どうか覚めない夢を見させてよ

(そのてをぼくらははなさずに)

その手を僕達は　離さずに

(そっとねがう)

そっと願う