今日も生きたね

(おもいあがりさ「とてもきよらかなこと」など)

思い上がりさ「とても清らかなこと」など

(とおくからみればきれいなえややまやうみやびるやひととおなじようなものさ)

遠くから見れば綺麗な絵や山や海やビルや人と同じようなものさ

(こどもがとんぼのはねをむしるそれもひとつのじゅんすいだよ)

子供がトンボの羽をむしる それもひとつの純粋だよ

(うしやぶたやとりがあるくのをみておいしそうっておもわない)

牛や豚や鶏が歩くのを見て 美味しそうって思わない

(よつんばいになってはいつもなにかおもいだしそうになる)

四つん這いになっては いつも何か思い出しそうになる

(にくになったのはよわいからじゃないしにくにくしいからでもない)

肉になったのは弱いからじゃないし憎々しいからでもない

(ただぼくらがおなかをすかせていたから)

ただ僕らがおなかを空かせていたから

(それだけのことなんだよ)

それだけのことなんだよ

(それだけのことなんだけれど)

それだけのことなんだけれど

(いたそうとかかわいそうとかやばんとかおもったり)

痛そうとか かわいそうとか 野蛮とか思ったり

(じぶんだけはやつらとはちがうんだと)

自分だけはやつらとは違うんだと

(だれかにそういってほしい)

誰かにそう言ってほしい

(そんなかんしょうもいえきにとけていく)

そんな感傷も胃液に溶けていく

(きみのことばかりかんがえているわけじゃないけれど)

君の事ばかり考えているわけじゃないけれど

(じぶんのこととおなじくらいきみのことをかんがえているよいまも)

自分の事と同じくらい君の事を考えているよ 今も

(さんじゅうななどにぶのうみからはこぶねにゆられ)

37.2℃の海から箱舟に揺られ

(いつかふたりにあいにきてよ)

いつか二人に会いにきてよ

(くさきやはなはあかいちをながさずひめいをあげることもない)

草木や花は赤い血を流さず悲鳴をあげることも無い

(そのむくちなしのうつくしさにみとれるじかんがすき)

その無口な死の美しさに見とれる時間が 好き

(だれにもみつかることのないりとうでさくはなにもびがある)

誰にも見つかることの無い離島で 咲く花にも美がある

(ただそれをおもいうかべられないだけ)

ただそれを思い浮かべられないだけ

(それだけのことなんだよ)

それだけのことなんだよ

(それだけのことなんだけれど)

それだけのことなんだけれど

(きょうもいきたねのぞんでものぞまなくても)

今日も生きたね 望んでも 望まなくても

(これがさいごのことばになってもいいようにうたいたい)

これが最後の言葉になってもいいように歌いたい

(なんてうつくしいひびだろう)

なんて美しい日々だろう

(なんてうつくしいひびなんだろう)

なんて美しい日々なんだろう

(きみをまつひびは)

君を待つ日々は

(なんてうつくしいせかいなんだろう)

なんて美しい世界なんだろう