ガウル

(あかいおくつならんではいて)

赤いお靴　並んで　はいて

(うたおうよおどろうよがうるとわになって)

歌おうよ　踊ろうよ　ガウルと輪になって

(まいごのこもりうたたいこのぐぜのーうた)

迷子の子守唄　太古のグゼノー唄

(そうあかくあとをつけてふたつかさなるように)

そう赤く痕をつけて　ふたつ重なるように

(みなみのほしのむれよかがやくじゅうじせい)

南の星の群れよ　輝く十字星

(さあめざせだいちをふみかぎはかくしてきたの)

さあ目指せ　大地を踏み　鍵は隠してきたの

(とおいむかしにだれかがないてあなたはいのりをすてろといったの)

遠い昔に誰かが泣いて　貴女は祈りを捨てろといったの

(あなたのそのくせなおってないのねおどりはじょうずでしょう)

貴女のその癖直ってないのね　踊りは上手でしょう

(となりのくにでうばいあうまほうのことば)

隣の国で奪い合う　魔法のコトバ

(なまえをつけたくてすぐにわすれちゃうの)

なまえをつけたくて　すぐに忘れちゃうの

(そうあかくあとをつけてだれかわかるように)

そう赤く痕をつけて　誰かわかるように

(あなたのおへやをあけちゃいけないのおこってしまうでしょう)

貴女のお部屋を開けちゃいけないの　怒ってしまうでしょう

(きらきらなないろはこよりすてきねもえてしまったけど)

キラキラ七色箱より素敵ね　燃えてしまったけど

(まいがうるわたしのかわいいこたちこんなけつまつでごめんなさい)

マイガウル　私の可愛いコたち　こんな結末でごめんなさい

(まいがうるおびえたひとみにうつったせんのはなのいのち)

マイガウル　怯えた瞳に映った千の華の命

(まいがうるねむりのなかでもいいからあなたのすべてにふれたくて)

マイガウル　眠りの中でもいいから貴女の全てに触れたくて

(まいがうるほらみてみなみのそらにはみだすほどかいたの)

マイガウル　ほらみて南の空にはみだすほど描いたの

(とおいむかしにだれかがないてあなたのいのりはよぞらへきえたの)

遠い昔に誰かが泣いて　貴女の祈りは夜空へ消えたの

(はるかときをこえかたりつがれてくたいこのこもりうた)

はるか時を超え語り継がれてく　太古の子守唄

(まいがうるそっちへいくことをやめたのだれにもいえずにごめんなさい)

マイガウル　天国へ逝くことをやめたの　誰にもいえずにごめんなさい

(まいがうるときをまほうのことばでもどせはしないから)

マイガウル　時を魔法のコトバで戻せはしないから

(まいがうるあなたとどこまでもいくわもうすぐあるけるようになるから)

マイガウル　貴女とどこまでもいくわ　もうすぐ歩けるようになるから

(きたなくきかざるどれすやほうせきすべてをはぎとって)

汚く着飾るドレスや宝石　すべてを剥ぎ取って

(まいごのこもりうたまいごのさけびごえ)

迷子の子守唄　迷子の叫び声

(まいごはそろってあしがない)

迷子は揃って足がない

(だってわたしがぜんぶきりとったの)

だって　私が全部　切り取ったの

(あかいおくつならんではいて)

赤いお靴　並んで　はいて

(うたおうよおどろうよがうるとわになって)

歌おうよ　踊ろうよ　ガウルと輪になって

(きこえるはずないおと)

聞こえるはずない音

(おいでめをひらくことないこどもたち)

おいで　目を開くことない子どもたち

(ごうかがたけりらせんがまわり)

業火が猛り　螺旋が回り

(けんらんうずまくおのれきょむのはてへ)

絢爛渦巻く　己　虚無の果てへ

(てとてからめむすばせほどかせ)

手と手絡め　結ばせ解かせ

(まなこてんをとらえよおとせ)

眼天を捉えよ　堕とせ

(あかいおくつならんではいて)

赤いお靴　並んで　はいて

(うたおうよおどろうよがうるとわになって)

歌おうよ　踊ろうよ　ガウルと輪になって

(けっしてたやしてはならぬこどうここにおいて)

決して絶やしてはならぬ鼓動　ここに置いて

(とわにもゆるおごるたいかをかこみ)

永遠に燃ゆる傲る　大火を囲み

(ごうかがたけりらせんがまわり)

業火が猛り　螺旋が回り

(けんらんうずまくおのれきょむのはてへ)

絢爛渦巻く　己　虚無の果てへ

(なにをつくりなにをこわしなにをまとう)

何を作り何を壊し何を纏う

(めをひらくことないこどもたち)

目を開くことない子どもたち