シックワールド症候群

(だれもみむきもしないようなすとーりー)

だれも見向きもしないような小説

(だれかがふんだちいさなはな)

誰かが踏んだ小さな花

(ああぼくだっておなじだけど)

ああ僕だって同じだけど

(きまぐれにおもいだしてしまうだけだ)

気まぐれに思い出してしまうだけだ

(なみだをみたくないからめをふせる)

涙を見たくないから目を伏せる

(むしのこえがわずらわしくてみみをふさぐ)

虫の声が煩わしくて耳を塞ぐ

(ころんでけがしたくないからたちどまる)

転んで怪我したくないから立ち止まる

(きみをけがしたくないからなにもしない)

君を汚したくないから何もしない

(これでいいんだってかげをこのんでいる)

これでいいんだって陰を好んでいる

(やすいへっどふぉんがならすおんがく)

安いヘッドフォンが鳴らす音楽

(ぼくだけがしっている)

僕だけが知っている

(たいおんがほしいかわんないぼくのこんげんをさしてくれ)

体温が欲しい変わんない僕の根源を刺してくれ

(あんぜんせいがないわらわないでぼくのこえをきいてくれ)

安全性がない笑わないで僕の声を聞いてくれ

(かのうせいをはかっていきをとめる)

可能性を測って息を止める

(そんないきざまにあきあきしてんだ)

そんな生き様に飽き飽きしてんだ

(もういちどよるをこえられたなら)

もう一度夜を越えられたなら

(なんてひくいはーどるだなんていって)

「なんて低いハードルだ」なんて言って

(だれにもしられずめをとじる)

誰にも知られず目を閉じる

(これでもぼくはせかいをあいしてるよ)

これでも僕は世界を愛してるよ

(ゆるされないものどうしであいしあう)

許されない者同士で愛し合う

(さきにことばでえぐったほうがえらいんですか)

先に言葉で抉った方が偉いんですか

(ごめんなさいということばのうらがわが)

「ごめんなさい」という言葉の裏側が

(ぐるぐるまわるけんおかんですめばいいね)

ぐるぐる廻る嫌悪感で済めばいいね

(ぼくをみているきみのめが)

僕を見ている君の目が

(きみをみてるぼくのめによくにてて)

君を見てる僕の目によく似てて

(えんどろーるでふたりならんでたら)

エンドロールで二人並んでたら

(いいななんてさかみだけがしっている)

いいななんてさ神だけが知っている

(たいおんがほしいかわんないぼくのこんげんをさしてくれ)

体温が欲しい変わんない僕の根源を刺してくれ

(あんぜんせいがないわらわないでぼくのこえをきいてくれ)

安全性がない笑わないで僕の声を聞いてくれ

(かのうせいをはかっていきをとめる)

可能性を測って息を止める

(そんないきざまにあきあきしてんだ)

そんな生き様に飽き飽きしてんだ

(ああきみとよるをこえられたなら)

ああ君と夜を越えられたなら

(なんてたかいはーどるだなんていって)

「なんて高いハードルだ」なんて言って

(だれにもしられずいきをすう)

誰にも知られず息を吸う

(これでもぼくはせかいをあいしてる)

これでも僕は世界を愛してる

(ぎりぎりなんだ)

ギリギリなんだ

(まぶしいせかいとぼくのそんざいの)

眩しい世界と僕の存在の

(ふれあいがきはくすぎて)

触れ合いが希薄すぎて

(まだまだぼくはよゆうのないせかいとそいとげる)

まだまだ僕は余裕のない世界と添い遂げる

(ようなきぼうろんのもちあわせがないや)

ような希望論の持ち合わせがないや

(ぎりぎりなんだ)

ギリギリなんだ

(まぶしいせかいとぼくのそんざいの)

眩しい世界と僕の存在の

(ふれあいがきはくすぎて)

触れ合いが希薄すぎて

(まだまだぼくはよゆうのないせかいとそいとげる)

まだまだ僕は余裕のない世界と添い遂げる

(ようなきぼうろんのもちあわせがない)

ような希望論の持ち合わせがない

(それでもたいおんがほしい)

それでも体温が欲しい

(かわんないぼくのこんげんをさしてくれ)

変わんない僕の根源を刺してくれ

(あんぜんせいがないわらわないでぼくのこえをきいてくれ)

安全性がない笑わないで僕の声を聞いてくれ

(かのうせいをはかっていきをとめる)

可能性を測って息と止める

(そんないきざまにあきあきしてんだ)

そんな生き様に飽き飽きしてんだ

(ああきみとよるをこえられたなら)

ああ君と夜を越えられたなら

(なんてたかいはーどるだなんていって)

「なんて高いハードルだ」なんて言って

(だれにもしられずめをとじる)

誰にも知られず目を閉じる

(これでもぼくはだれかをあいしてるよ)

これでも僕は誰かを愛してるよ

(わらうのかい)

笑うのかい？

(こんなぶざまなぼくでもしぬのはごめんだ)

こんな無様な僕でも死ぬのはごめんだ