僕は主人公なんかになれはしないけど

(せんせいはいったぼくはぼくなんだって)

先生は言った｢僕は僕なんだ｣って

(たしかにそういったはずだ)

確かにそう言った　─はずだ

(あのひとにはきっとあいでんてぃてぃもいえないまま)

あの人にはきっとアイデンティティも言えないまま

(ひとにもなれないまま)

｢人｣にも成れないまま

(きみだったらできるだって？そんなことばはいまじゃ)

「君」だったらできるだって？そんな｢戯言(ことば)｣は今じゃ

(ただのてきすとのごみだかさくもないだろう)

ただの｢文字列の塵(テキストのゴミ)｣だ佳作もないだろう(笑)

(きみはきみでいていいなんてなにをこんきょにやさしいことばで)

｢君は君でいていい｣なんて何を根拠に優しい言葉で

(ぼくをさしてさしてさしてさして)

僕を指して　刺して　指して　刺して

(なぜきこえないふりした？)

何故聞こえないフリした？

(あんたらになにがわかるんだあんたらになにがわかるんだ)

あんたらに何がわかるんだあんたらに何がわかるんだ

(ぼくでもわからないぼくのことなんて)

｢僕｣でも分からない｢僕｣の事なんて

(おまえらがなにをしってんだ？おまえらになにがわかるんだ？)

お前らが何を知ってんだ？お前らに何が｢わかる｣んだ？

(おしえてよこたえろよこたえてよとうよこれからのぜんぶ)

教えてよ 答えろよ 応えてよ問うよ これからの全部

(てんさいはかたったじぶんのきらいなものをたしかにさとってた)

天才は語った自分の嫌いなものを確かに悟ってた

(けどそれはきみだからそうなだけでおしつけないでよ)

けどそれは君だから｢そう｣なだけで｢押し付けないでよ｣

(ほんにのっていたもじをつぶす)

本に載っていた文字を潰す

(ぼんじんにもなれないぼくらじがをすてていきていくんだ)

｢凡人｣にもなれない僕ら｢自我｣を捨てて生きていくんだ

(そうじゃないといきれないんだ)

そうじゃないと｢生き｣れないんだ

(おとなとしていきてくようにおなじようしにきまったふくで)

｢大人｣として生きてく様に｢同じ｣容姿に｢決まった服｣で

(こせいなんかはやくもしんだ)

個性なんか早くも死んだ

(もうぼくだけむしされてんだそこにたってるしかばねたちは)

もう僕だけ無視されてんだそこに立ってるシカバネ達は

(わらっているんだ)

笑っているんだ

(あんたらはなにをしってんだあんたらにおしえてほしいんだ)

あんたらは何を知ってんだあんたらに教えてほしいんだ

(このせかいをふつうにいきてしあわせになれるすべをわらっていきるりゆうを)

この舞台(世界)を｢普通｣に生きて幸せになれる術を笑って生きる｢理由｣を

(いつだってそうだこたえられるやつはいないのに)

いつだってそうだ答えられる奴は　居ないのに

(うわつらをきょうしゃがずっとえらそうにうたう)

上面を強者がずっと偉そうに謳う

(てんさいがさいのうをひげしてうたう)

｢天才｣が才能を卑下して歌う

(そんなもんどうだっていいから)

｢そんなもんどうだっていいから｣

(しょうめいしてほしかったんだぼくのこと)

｢存在肯定(証明)｣してほしかったんだ｢僕｣のこと

(ぼくはしゅじんこうなんかになれはしないけど)

僕は主人公なんかになれはしないけど

(あんたらになにがわかるんだあんたらはなにをしってんだ)

あんたらに何が分かるんだあんたらは何を知ってんだ

(やくわりもあいまいなぼくのこと)

｢役割｣も曖昧な　｢脇役(僕)｣のこと

(ぼくたちはなにをしってんだぼくたちになにがわかるんだ)

僕達は何を知ってんだ｢なりそこない(僕達)｣に何が分かるんだ

(しらないさきっとぼくがよわいせいだ)

｢知らないさ｣きっと　僕が弱いせいだ

(ぼくがぼくをあいせないのはぼくがきみをあいせないのを)

｢僕｣が僕を愛せないのは｢僕｣が君を愛せないのを

(だまりこんでわかってなんてぼうろんだよ)

黙り込んで｢わかって｣なんて　暴論だよ

(わきやくでもしりたいよしゅやくのえさであろうとも)

｢脇役｣でも知りたいよ｢主役｣のエサであろうとも

(けどいいよもういいよもうぜんぶみえないよ)

けど｢いいよ｣　もういいよ　もう｢全部｣見えないよ

(あんたにはなにもわからないあんたらはなにもしらないさ)

｢あんたには何も分からない｣｢あんたらは何も知らないさ｣

(ゆめすらわからないぼくのことなんて)

｢夢｣すら理解らない　｢僕｣の事なんて

(おまえらがなにをしってんだ)

｢主役ら(お前ら)｣が何を知ってんだ

(こたえるならこたえてみろよもうぜんぶぜんぶぜんぶ)

答えるなら答えてみろよもう全部 全部 全部

(きっときっときっときっと)

きっと きっと きっと きっと

(きっときっときっときっと)

きっと きっと きっと きっと

(きみのせいだ)

｢夢(君)｣のせいだ