レール

(あふれだしたひとのむれはきづかいもなくめのまえをすぎるだけ)

溢れ出した人の群れは　気遣いもなく　目の前を過ぎるだけ

(とまどいがちなぼくのあしおとはかろやかにきょうもまぎれこんだ)

戸惑いがちな僕の足音は　軽やかに今日も紛れ込んだ

(いつもどおりのえきへむかえばみなれたまいにちがはじまる)

いつも通りの駅へ向かえば　見慣れた毎日がはじまる

(このれーるをたどってどこかとおくまで)

このレールを辿って　どこか遠くまで

(ゆくさきならかぜまかせで)

行く先なら風任せで

(まだぼくのしらないまちにつれてってくれ)

まだ僕の知らない　街に連れてってくれ

(そんなたわいもないねがいだけだよ)

そんな他愛もない願いだけだよ

(じおらまみたいなびるのかげでふりかえればだれかのこえがする)

ジオラマみたいなビルの陰で　振り返れば誰かの声がする

(きせつはずれのみなみかぜがぼくのよくぼうをあおってすぎた)

季節外れの南風が　僕の欲望を煽って過ぎた

(てあたりしだいにかばんにつめこんでなじみのないかいさつへとびこむ)

手当たり次第に鞄に詰め込んで　馴染みのない改札へ飛び込む

(とびだしたりゆうもごまかせやしないよ)

飛び出した理由も　誤魔化せやしないよ

(はじめからわかってたことだろう)

始めからわかってたことだろう

(このほーむにたってさわぎだしてるんだ)

このホームに立って　騒ぎ出してるんだ

(たいくつなひびはもういらない)

退屈な日々はもう要らない

(ゆめでもたかなるんだよ)

夢でも高鳴るんだよ

(はじまりならいつだってぼくがにぎってる)

はじまりならいつだって僕が握ってる

(ひとはにどともどらないひびをあるきつづける)

人は二度と戻らない日々を歩き続ける

(このれーるをたどってどこかとおくまで)

このレールを辿って　どこか遠くまで

(ゆくさきならかぜまかせで)

行く先なら風任せで

(まだぼくのしらないまちにつれてってくれ)

まだ僕の知らない　街に連れてってくれ

(そんなたわいもないねがいだけだよ)

そんな他愛もない願いだけだよ

(このれーるのむこうはしらない)

このレールの向こうは知らない

(めのまえのとびらにとびのる)

目の前の扉に飛び乗る

(ただそれだけだよ)

ただ、それだけだよ