小説 夏と罰(上)
絵:一朶琴
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歌詞(問題文)
(そのひは、なつをけんおするにはじゅうぶんすぎるそらだった)
その日は、夏を嫌悪するには十分すぎる空だった
(けがれのないあおがどれほどにくらしかったか)
汚れのない青がどれほど憎らしかったか
(りかいなどもとめてもむだであろう)
理解など求めても無駄であろう
(じぶんのそんざいはこのせかいに1みりたりともきずをのこせず)
自分の存在はこの世界に1ミリ足りとも傷を残せず
(せいをうけたのもかみのきまぐれ)
生を受けたのも神の気まぐれ
(たいして、すべてからしゅくふくされているきみはきらきらと)
対して、全てから祝福されている君は煌煌と
(「なつ、おわるのさびしいよな」)
「夏、終わるの寂しいよな」
(きみのくったくのないえがおがわたしののどをひとつかみ)
君の屈託のない笑顔が私の喉を一掴み
(しめるでもなく、ただただざいあくかんをうえつける)
絞めるでもなく、ただただ罪悪感を植えつける
(しんらいもゆうじょうもぬりつぶしうるれっとうかんと)
信頼も友情も塗り潰しうる劣等感と
(わたしはきょうせいしつづけるのか)
私は共生し続けるのか
(きみをこわしてやりたいとおもった)
君を壊してやりたいと思った
(そんなじぶんをはじてもいたが)
そんな自分を恥じてもいたが
(いちどでいい、せいじんのようなしこうをゆがめて、)
一度でいい、聖人のような思考を歪めて、
(みにくいないめんをえぐりだしてやるのだ)
醜い内面を抉り出してやるのだ
(みろ!みろ!みろ!みろ!)
見ろ!見ろ!見ろ!見ろ!
(いまからおまえをつきおとす)
今からお前を突き落とす
(うらぎりはずいぶんまえからけいかくされていたと)
裏切りは随分前から計画されていたと
(すべてをしったきみのかおにわたしはあおすぎるそらをみたい)
全てを知った君の顔に私は青すぎる空を見たい
(「あっ、おまつり、5じにいつものとこしゅうごうな」)
「あっ、お祭り、5時にいつものとこ集合な」
(ああああ)
ああああ
(ごめん、ごめん、ごめん、ごめん、ごめん、ごめん、ごめん、ごめん、)
ごめん、ごめん、ごめん、ごめん、ごめん、ごめん、ごめん、ごめん、
(ごめん、ごめん、ごめん、ごめん、もうむりだ、むりです、むりだ、)
ごめん、ごめん、ごめん、ごめん、もう無理だ、無理です、無理だ、
(ゆるして、ゆるして、ああ、ゆるして、ゆるして、ああ、ゆるして、)
許して、許して、嗚呼、許して、許して、嗚呼、許して、
(たすけて、かみさま)
助けて、神様