金木犀の夜

(だいたいよるはちょっと)

だいたい夜はちょっと

(かんしょうてきになって)

感傷的になって

(きんもくせいのかおりをたどる)

金木犀の香りをたどる

(なんでもないふりしても)

何でもない振りしても

(こえがききたくなって)

声が聞きたくなって

(でんわばんごうをおもいだそうとしてみる)

電話番号を思い出そうとしてみる

(かけるかけない)

かける　かけない

(あいたいあいたくない)

会いたい　会いたくない

(いつのまにかずいぶんとおくまで)

いつの間にか　随分遠くまで

(きてしまったなああ)

来てしまったな　ああ

(あのころのふたりは)

あの頃のふたりは

(ときがたってもきえやしないよね)

時が経っても消えやしないよね

(いつかほかのだれかを)

いつか他の誰かを

(すきになったとしても)

好きになったとしても

(わすれないで)

忘れないで

(だんだんさむくなって)

だんだん寒くなって

(なつはとおりすぎてた)

夏は通り過ぎてた

(きんもくせいのかおりできづく)

金木犀の香りで気付く

(どうでもいいふりしても)

どうでもいい振りしても

(きみのすきなあいすみつけて)

君の好きなアイスみつけて

(しんやのこんびにで)

深夜のコンビニで

(きゅうにひきもどされる)

急に引き戻される

(きえるきえない)

消える　消えない

(なきたいなきたくない)

泣きたい　泣きたくない

(いつかきっとわらってはなせるひが)

いつかきっと　笑って話せる日が

(くるなんてほんとうかな)

来るなんて　本当かな

(あのころのふたりは)

あの頃のふたりは

(こわいものなどなにもなかったね)

怖いものなど　何もなかったね

(いつかほかのだれかを)

いつか他の誰かを

(すきになったとしても)

好きになったとしても

(わすれないよ)

忘れないよ

(だいたいよるはちょっと)

だいたいよるはちょっと

(かんしょうてきになって)

感傷的になって

(きんもくせいのかおりをたどる)

金木犀の香りを　辿る