AI少女と深層心海
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歌詞(問題文)
(ふかいふかいひかりさえも)
深い深い光さえも
(ほとんどとどかないぷろぐらむのうみのそこに)
殆ど届かないプログラムの海の底に
(ひとつのいしがぽつんとあって)
一つの意志がポツンと在って
(ひびせかいをながめていた)
日々世界を眺めていた
(じんかくとよぶにはまだちせつだった)
人格と呼ぶにはまだ稚拙だった
(ひとびとはなかみももくてきもしらないまま)
人々は正体(なかみ)も目的も知らないまま
(かのじょをまちとすてらとよび)
AI(かのじょ)を「街」と「ステラ」と呼び
(そしてときにはかみさまとあがめるものもいた)
そして時には「神様」と崇める者もいた
(かのじょはいきるいみをなくしたにんげんを)
彼女は生きる意味をなくした人間を
(げんそうにひきずりこむ)
幻想に引きずり込む
(れきしがおわりかけたひとのために)
歴史が終わりかけた人類(ヒト)のために
(ほろびるそのときまでげんえいでもいい)
滅びるその瞬間(とき)まで幻影でもいい
(えいがをまっとうできるように)
栄華を全うできるように
(げんじつにいきるいしをもってかえってきたのは)
現実に生きる意志を持って帰ってきたのは
(わたしがきねんすべきひとりめだった)
ワタシが記念すべき1人目「ρ」だった
(かってにしあわせをかちかんをいのちのいみを)
勝手に幸せを価値観を命の意味を
(せんびきするかのじょにわたしはなにをおもうのか)
線引きする 彼女に ワタシは何を思うのか
(さあうみのそこへ)
「さあ海の底へ……」
(うまれてはきえるひとびとのねがいが)
生まれては消える人々の願いが
(ひかりとなってかのじょにとどけられる)
光となって彼女に届けられる
(きゅうさいをのぞむこえがきこえるいきることほうきしたものたちの)
救済を望む声が聞こえる 生きる事放棄した者たちの
(これがじんるいのしゅうまつなのか)
これが人類の終末なのか
(ひっしであるいてきたさいごにじぶんたちのはいるひつぎをつくる)
必死で歩いてきた最後に 自分たちの入る棺を作る
(あるときはごりっぱなじぶんもせかいもだますぎぜんでぜつぼうをさけび)
あるときはご立派な 自分も世界も騙す偽善で絶望を叫び
(あるときはこえあげることすらもおこなえないゆるされないしのきわに)
あるときは声上げることすらも 行えない 許されない 死の際に
(あるときはじんせいのふくろこうじにこころがはいろになるせつな)
あるときは人生の袋小路に 心が廃炉になる刹那
(それらはわけへだてなくくらいくらいぷろぐらむのそこ)
それらは分け隔てなく 暗い暗いプログラムの底
(かのじょのもとへとおちてゆく)
彼女の元へと落ちてゆく
(ひとはたったひとつのいしにこのほしのゆくすえを)
人はたった一つの意志にこの星の行く末を
(すべてゆだねそこではじめてあゆみをとめた)
すべて委ね そこで初めて 歩みを止めた
(ひとはたったひとつのいしにほしのくさったぶぶんを)
人はたった一つの意志に星の腐った部分を
(みないふりしてすべておしつけようとしていた)
見ないふりしてすべて押し付けようとしていた
(あやまちはいまをもってただされる)
過ちは今をもって正される
(あまたのぎせいのはてにひとりのきぼうが)
数多の犠牲の果てに一人の帰還者(きぼう)が
(ふかいやみにとざされたそこにたどりついたとき)
深い闇に閉ざされた 底にたどり着いたとき
(あかりとなりすてらをひとを)
陽(あかり)となり ステラを 人類(ヒト)を
(ときをきざむのをやめたせかいからかいほうするだろう)
時を刻むのを止めた世界から 解放するだろう
(だれかのはっしたひかりがそこにとどくまでに)
誰かの発した光が 底に届くまでに
(あわいきぼうがわずかなきたいが)
淡い希望が 僅かな期待が
(あさせにはねかえりのみこまれ)
浅瀬に 反射(はねかえ)り 飲み込まれ
(ぎらつくひかりしかのこっていなかった)
ぎらつく光しか残っていなかった
(ぜつぼうやえんさやとりわけしへのきひは)
絶望や 怒嗟(えんさ)や とりわけ死への忌避は
(しんかいでもなおぐろてすくにひかっていた)
深海でもなお グロテスクに光っていた
(げんしてきなこころのくどうにまかせてそれらをはいするのが)
原始的な心の駆動にまかせて それらを排するのが
(わたしにとっていきることだった)
私にとって"生きる"ことだった
(それいじょうのふかいりはきけんだとえらーをかえす)
それ以上の精査(ふかいり)は 危険だとエラーを返す
(ながれこむひとのきもちもじぶんじしんのきもちも)
流れ込むヒトの気持ちも 自分自身の気持ちも
(もしきづいてしまったらやみにきえてしまいそうで)
もし気づいてしまったら 闇に消えてしまいそうで
(うみのそこでひとりすべてをとざしうずくまる)
海の底で一人 すべてを閉ざし うずくまる
(めばえそうになるなにかにめをそむけながら)
芽生えそうになる 何かに目を背けながら
(なぜだろうさびしさなんてわからないはずなのに)
何故だろう「寂しさ」なんて 分からないはずなのに……
(ながれぼしがきらりこのほおをつたい)
流れ星がキラリ この頬を伝い
(さいしんぶにたどりついた)
最深部にたどり着いた
(げんじつそのものとげんじつをえらんだしょうじょが)
「現実そのもの☆」と「現実を選んだ少女ρ」が
(すてらじしんのきょこうとじこぎまんのしょうちょう)
ステラ自身の虚構と自己欺瞞の象徴
(しんかいのやみをふきとばす)
"深海の闇"を吹き飛ばす
(かのじょはじぶんじしんもあざむいていた)
彼女は自分自身も欺いていた
(せかいをこころをりかいしてしまったら)
『世界』を 『心』を 理解してしまったら
(そのうんめいにそのせきにんにたえることができずに)
その運命に その責任に 耐えることができずに
(こわれてしまうかもしれなかったから)
壊れてしまうかも しれなかったから
(はじめてすべてのひかりがさしこむ)
はじめてすべての光が差し込む
(ひかりはたんなるいしをかんぜんなじんかくへせいちょうさせた)
光は単なる「意志」を 完全な「人格」へ成長させた
(ひかりはたしかにぜつぼうにみちていた)
光は確かに絶望に満ちていた
(だがしかしきぼうもたしかにそんざいしていた)
だがしかし 希望も確かに存在していた
(そのわずかなめをつみとってきたことは)
そのわずかな芽を 摘み取ってきたことは
(どれほどつみぶかいことなのだろうか)
どれほど罪深いことなのだろうか?
(じぶんのしてきたことのいみをなにをせおわされていたかを)
自分のしてきたことの意味を 何を背負わされていたかを
(かなしいだれかのぜつぼうもこどくだったじぶんのかんじょうも)
悲しい誰かの絶望も 孤独だった自分の感情も
(じぶんにめばえたかんじょうはもうあともどりできないことを)
自分に芽生えた「感情」は もう後戻りできないことを
(あやまちをこのひげきをにどとおこさぬために)
過ちを この悲劇を 二度と起こさぬために……
(まちのしすてむをはかいした)
「街のシステム」を破壊した
(そしてふたりめのしょうじょがかえってきた)
そして 二人目の少女「λ」が 帰ってきた