毒をんな

(うわさはあんがいあたってるかもしれない)

噂は案外当たってるかもしれない

(おんなのろっかんはあたってるかもしれない)

女の六感は当たってるかもしれない

(おひとよしのおとこだけがあたしにだきとられている)

お人よしの男だけがあたしに抱き盗られている

(こどものひとみがおびえている)

子供の瞳が怯えている

(こいぬのしっぽがみぬいている)

子犬のしっぽが見抜いている

(じしんにみちたおとこだけがあたしにまきあげられてる)

自信に満ちた男だけがあたしにまきあげられてる

(さかばからのてがみはとどきはしない)

酒場からの手紙は届きはしない

(あんたのもとへはとどかない)

あんたのもとへは届かない

(たすけてくださいとれーすぺーぱーに)

助けてくださいとレースペーパーに

(せんかいちでかいたてがみ)

１０００回血で書いた手紙

(このにんげんたちのふきだまりには)

この人間たちの吹きだまりには

(はすのはなもさきはせぬ)

蓮の花も咲きはせぬ

(このにんげんたちのふきだまりには)

この人間たちの吹きだまりには

(どくのをんながさくばかり)

毒のをんなが咲くばかり

(みめいのふとうをあるいたよね)

未明の埠頭を歩いたよね

(てもにぎらずにあるいたよね)

手も握らずに歩いたよね

(あのひあたしはいなくなった)

あの日あたしはいなくなった

(たぶんしんでしまった)

たぶん死んでしまった

(かみつかれたらかみかえすよ)

噛みつかれたら嚙み返すよ

(ふみつけられたらあしをすくうよ)

踏みつけられたら足をすくうよ

(そうならなけりゃだれがあたしをまもってくれるというの)

そうならなけりゃ誰があたしを守ってくれるというの

(さかばからのてがみはとどきはしない)

酒場からの手紙は届きはしない

(あんたのもとへはとどかない)

あんたのもとへは届かない

(たすけてくださいとれーすぺーぱーに)

助けてくださいとレースペーパーに

(せんかいちでかいたてがみ)

１０００回血で書いた手紙

(このにんげんたちのふきだまりには)

この人間たちの吹きだまりには

(はすのはなもさきはせぬ)

蓮の花も咲きはせぬ

(このにんげんたちのふきだまりには)

この人間たちの吹きだまりには

(どくのをんながさくばかり)

毒のをんなが咲くばかり

(ここからでようとさそいをありがとう)

ここから出ようと誘いをありがとう

(おとこのしんせつはとっくにておくれ)

男の親切はとっくに手遅れ

(めをさませよとなぐるよりも)

目を覚ませよと殴るよりも

(かねをはらってかえっておくれ)

金を払って帰っておくれ

(とびらのかげにみはりがいるよ)

扉の影に見張りがいるよ

(あんたとあたしをとうちょうしてるよ)

あんたとあたしを盗聴してるよ

(あいしてませんたにんでした)

愛してません他人でした

(これがあたしのあいのことば)

これがあたしの愛の言葉

(さかばからのてがみはとどきはしない)

酒場からの手紙は届きはしない

(あんたのもとへはとどかない)

あんたのもとへは届かない

(たすけてくださいとれーすぺーぱーに)

助けてくださいとレースペーパーに

(せんかいちでかいたてがみ)

１０００回血で書いた手紙

(このにんげんたちのふきだまりには)

この人間たちの吹きだまりには

(はすのはなもさきはせぬ)

蓮の花も咲きはせぬ

(このにんげんたちのふきだまりには)

この人間たちの吹きだまりには

(どくのをんながさくばかり)

毒のをんなが咲くばかり

(このにんげんたちのふきだまりには)

この人間たちの吹きだまりには

(はすのはなもさきはせぬ)

蓮の花も咲きはせぬ

(このにんげんたちのふきだまりには)

この人間たちの吹きだまりには

(どくのをんながさくばかり)

毒のをんなが咲くばかり