映えない

(ああひとがみてるからはえなきゃ)

ああ　人が見てるから映えなきゃ

(どこかではえることにざせつしたわたしも)

どこかで映えることに挫折した私も

(ちゅうとはんぱにめぐまれるからよもすてきれず)

中途半端に恵まれるから世も捨てきれず

(だれもいないよなかのあかしんごうをわたっては)

誰も居ない夜中の赤信号を渡っては

(あさになったらすましたかおであおをまつ)

朝になったら澄ました顔で青を待つ

(だいさんしゃがみてなかったら)

第三者が見てなかったら

(どうとくなんてこのよにあるのかな)

道徳なんてこの世にあるのかな

(たいようになれなかったくさったほのお)

太陽になれなかった腐った炎

(いみもなくさんそをついやす)

意味もなく酸素を費やす

(ものごころついてからはかばまで)

物心ついてから墓場まで

(だれかがみはっているからはえなきゃ)

誰かが見張っているから　映えなきゃ

(はえるいかりやじさつはにゅーすのくいぶちになり)

映える怒りや自殺は　ニュースの食い扶持になり

(はえるよくうつやかなしみはうたのおかずだが)

映える抑鬱や悲しみは　歌のオカズだが

(だいさんしゃがもとめてなきゃ)

第三者が求めてなきゃ

(いかりもかなしみもなまごみでしかない)

怒りも悲しみも生ごみでしかない

(たいようになれなけりゃすいがらでいい)

太陽になれなけりゃ吸い殻でいい

(わるめだちだってえにならあ)

悪目立ちだって絵にならあ

(いんとようはちがえどもねはおなじ)

陰と陽は違えども根は同じ

(だれかのしせんというふあんにあやつられてる)

誰かの視線という不安に操られてる

(じぶんらしくいきてなんていわないで)

「自分らしく生きて」なんて言わないで

(らしさなんてさいしょからないから)

らしさなんて最初から無いから

(たいようになれなかったくさったほのお)

太陽になれなかった腐った炎

(いみもなくさんそをついやす)

意味もなく酸素を費やす

(もたざるものたちはみなうなされてる)

持たざる者たちは皆うなされてる

(すうりょうげんていのあいのうばいあい)

数量限定の愛の奪い合い

(まけはってしんでもはえなきゃ)

負け　這って　死んでも映えなきゃ