サラダとタコメーター

(これからはさえないことばももとからそがれたうぶでむくないとおしさにしようや)

これからは冴えない言葉も元から削がれたうぶで無垢な愛しさにしようや

(はたからみりゃほらおもしろおかしいゆがんだかがみにみえるだろうが)

端から見りゃほら面白可笑しい歪んだ鏡に見えるだろうが

(からだとこころとそれからだれかのしせんのさきにみがかれたあくた)

体と心とそれから誰かの視線の先に研かれた芥

(あきたらすてるもいどのめすままにおぼえてすらいないやいやいや)

飽きたら捨てるもイドの召すままに覚えてすらいないやいやいや

(からまってただまってあいことばもきめずにいるんだ)

絡まってただ待って合言葉も決めずにいるんだ

(きみだってほらどうやってそらはあおなんだかんたんだろう)

君だってほらどうやって空は青なんだ簡単だろう

(さらばやこうれっしゃときすらはやりのちーくとどうよう)

さらば夜行列車時すら流行りのチークと同様

(かめらのむこうがわふぁいんだーごしのせかいがいつしか)

カメラの向こう側ファインダー越しの世界がいつしか

(ほらあなのなかでぼくらがてらすかげになる)

洞穴の中で僕らが照らす影になる

(それからはてあたりしだいにかみつくだけんとつめたくわらうのがくせになった)

それからは手当たり次第に噛みつく駄犬と冷たく笑うのが癖になった

(しにものぐるいをじごくもしらずにつめたくわらうのがくせになった)

死に物狂いを地獄も知らずに冷たく笑うのが癖になった

(あなたもざんねんこたえをしらないむちもうまいとうちこんでばいばい)

貴方も残念答えを知らない無知蒙昧と打ち込んでバイバイ

(はいはいそれはかんじょうといっていまここにはいらないないない)

はいはいそれは感情と言って今ここには要らないないない

(かんどうはかんたんなかんのうといったにんげんはかんがえるあしだといった)

感動は簡単な官能と言った人間は考える葦だと言った

(だれもがかんだことばでごかんだんなどといってさいせいさん)

誰もが噛んだ言葉でご歓談などと言って再生産

(からぶりもなまあくびもめたとみとめてもとめはきためて)

空振りも生あくびもメタと認めて求め掃き溜めて

(ああもうにげばがないじぶんでふさいでりゃせわがないわ)

ああもう逃げ場がない自分で塞いでりゃ世話がないわ

(さらだとたこめーたーむちつじょをはりでしめしておくれ)

サラダとタコメーター無秩序を針で示しておくれ

(かいぜるひげのきけんしんしぼんぷたるわれをすくっておくれ)

カイゼル髭の貴顕紳氏凡夫たる我を救っておくれ

(どうだあかるくなったろう)

どうだ明るくなったろう

(じゃっくにまめをきたいしてるんだかざみどりのいみもまわってるんだ)

惹句に忠実を期待してるんだ風見鶏の意味も回ってるんだ

(ほららっくつめこんだざっくとつぶれたずっくはとっくになくしてしまった)

ほら幸運詰め込んだザックと潰れたズックはとっくになくしてしまった

(だっくのみにくいたっとのおこない)

アヒルの醜い幼児の行い

(かれははねつけをきたいしてたからやった)

彼は撥ね付けを期待してたからやった

(こづいたらわめいたからこのむらからおいだした)

小突いたら喚いたからこのムラから追い出した

(からまってただまってあいづちすらわすれてるんだ)

絡まってただ待って相槌すら忘れてるんだ

(あんだんてそらとんだってぼくはこうなんだかんたんだろう)

アンダンテ空飛んだって僕はこうなんだ簡単だろう

(かたくななもうしんとおもさののったこぶしのちがいすら)

頑なな盲信と重さの乗った拳の違いすら

(わからないでのうしんとうかんちがいのえんちょうせんじょう)

分からないで脳震盪勘違いの延長線上

(かえりみちのとほうとてつばかばかばかしくなりそらにふれた)

帰り道の途方途轍馬鹿馬鹿馬鹿しくなり空に触れた

(ちかいようにみえたそのあおはあおとよぶにはくろばみれていた)

近いように見えたその青は青と呼ぶには黒ばみれていた

(こういうこともあるんだなああ)

こういうこともあるんだな　ああ