神谷志龍『正気じゃいられない』タイピング

(くびにまいたいのちづなこうせいしんやくがともだちさ)

首に巻いた命綱　向精神薬が友達さ

(げろまみれのじょうざいいたいのいたいのとんできた)

ゲロまみれの錠剤　痛いの痛いの飛んできた

(ひがいもうそうたれながすでんぱこどくとはなばかりのじれんま)

被害妄想垂れ流す電波　孤独とは名ばかりのジレンマ

(そこにいるのがきもちいいか)

底にいるのが気持ち良いか

(こうてつとふるさとのざんぞう)

鋼鉄と故郷の残像

(すばらしいひびでした)

素晴らしい日々でした

(あかんぼうのこえはいま)

赤ん坊の声は今

(しにくにたかるからすにおとる)

死肉にたかるカラスに劣る

(てーぷごしのでんきしんごうさ)

テープ越しの電気信号さ

(おわりなんてないようなすばらしきひびでした)

終わりなんてないような素晴らしき日々でした

(そっか・・・たちどまりつづけてせかいにあきてしまった)

そっか立ち止まり続けて世界に飽きてしまった

(みずたまりじゃんぷ、ゆうぐれのかいぶつ)

水溜りジャンプ、夕暮れの怪物

(すこーるとともにだんちからだいヴ)

スコールとともに団地からダイヴ

(こんなはずじゃない)

こんなはずじゃない

(ふつかよいでおしまい)

二日酔いでおしまい

(どうかおしあわせに)

どうかお幸せに

(たりないたりないまだみたされない)

足りない足りないまだ満たされない

(ぐるぐるせかいしらふじゃむり)

愚ル愚ル世界しらふじゃ無理

(どうせかみさまうばうことばかり)

どうせ神様奪うことばかり

(どうかおしあわせに)

どうかお幸せに

(たりないたりないまだみたされない)

足りない足りないまだ満たされない

(どろどろとよんでしかるべきはいきぶつにかかるにじ)

泥泥と呼んで然るべき廃棄物に架かる虹

(ここにいたい)

ここに居たい

(それでもここにいたい)

それでもここに居たい

(ふあんにあんどするほどやみにひたりきった)

不安に安堵するほど闇に浸りきった

(「ここからでないと」さえかけらもおもえないのがげんじょうだ)

「ここから出ないと」さえ欠片も思えないのが現状だ

(ひがいしゃづらしてせかいでいちばんふこうであるかのような)

被害者面して世界で一番不幸であるかのような

(きずつかないためしったかぶりでごまかすぼうえいほんのうは)

傷つかないため知ったかぶりで誤魔化す防衛本能は

(せかいすべててきかまたはみかたなんていないような)

世界全て敵か又は味方なんていないような

(じゃあしんじまえっていわれたらかえすことばもないや)

じゃあ死んじまえって言われたら返す言葉もないや

(きしねんりょおもうままひとおもいに)

希死念慮おもうまま一思いに

(なんていうゆうきもなくかいり)

なんていう勇気もなく乖離

(こんなはずじゃない)

こんなはずじゃない

(ふつかよいでおしまい)

二日酔いでおしまい

(どうかおしあわせに)

どうかお幸せに

(たりないたりないまだみたされない)

足りない足りないまだ満たされない

(ぐるぐるせかいしらふじゃむり)

愚ル愚ル世界しらふじゃ無理

(どうせかみさまうばうことばかり)

どうせ神様奪うことばかり

(どうかおしあわせに)

どうかお幸せに

(たりないたりないまだみたされない)

足りない足りないまだ満たされない

(どろどろとよんでしかるべきはいきぶつにかかるにじ)

泥泥と呼んで然るべき廃棄物に架かる虹

(いきていたい)

生きていたい

(それでもいきていたい)

それでも生きていたい

(それでもここにいたい)

それでもここに居たい