かくれんぼ

(かくれてなんかいないででておいで)

隠れてなんかいないで出ておいで

(もういいかい)

もういいかい？

(まぁだだよ)

まぁだだよ

(かべをすりぬけじゆうじざいにそらをおよぐ)

壁をすり抜け自由自在に空を泳ぐ

(のこされているゆうえいじかんはあとわずか)

残されている遊泳時間はあと僅か

(ぼくのぬけがらによりそいきみはだまったままで)

僕の抜け殻に寄り添い君は黙ったままで

(そのてをはなさない)

その手を離さない

(そんなかおしないでよそっとせなかだきよせた)

そんな顔しないでよ　そっと背中抱き寄せた

(ないたりおこったり)

泣いたり怒(おこ)ったり

(ぼくらはいそがしいいきものだろう)

人間(ぼくら)は忙しい生き物だろう？

(こえくらいきかせてよ)

声くらい聴かせてよ

(なんだかすこしさむけがするの)

「何だか少し寒気がするの、

(えあこんをつけてちょうだい)

エアコンをつけて頂戴。」

(いしばしたたいてこわすあなただから)

石橋叩いて壊すあなただから

(まだしんじきれなくて)

まだ信じ切れなくて

(きぼうとかみらいとかふたりでえがいたよそうずは)

希望とか未来とか二人で描いた予想図は

(なみだでにじんでかわくまでかきなおせやしないの)

涙で滲んで乾くまで書き直せやしないの

(ひとりにしないでよそのてをつよくにぎりしめた)

一人にしないでよ　その手を強く握りしめた

(わすれたりおぼえてたり)

忘れたり覚えてたり

(ぼくらってぶきようないきものでしょう)

人間(ぼくら)って不器用な生き物でしょう？

(じょうずにわらえるようになれるかな)

上手に笑えるようになれるかな

(さよならでいいからきかせてよ)

「さよなら」でいいから聴かせてよ

(かくれてなんかいないででておいで)

隠れてなんかいないで　出ておいで

(もういいかい)

もういいかい？

(どんなふかいやみにのまれて)

どんな深い闇に飲まれて

(ちのはてにはきだされていても)

地の果てに吐き出されていても

(かならずみつけだせるよなんどでもすくってみせるよ)

必ず見つけ出せるよ　何度でも救ってみせるよ

(そこがうちのいぬごやだろうと)

そこが家(うち)の犬小屋だろうと

(そこがつきのうらがわだろうと)

そこが月の裏側だろうと

(かならずみつけだせるよなんどでもすくってみせるよ)

必ず見つけ出せるよ　何度でも救ってみせるよ

(さしだしたそのりょうてをすりぬけると)

差し出したその両手を　すり抜けると

(ぼくはきみのみらいへとけていく)

僕は君の未来へ　溶けていく

(うつむいてなんかいないできみらしくありのままで)

俯いてなんかいないで　君らしくありのままで

(きみがせかいをてきにまわしても)

君が世界を敵に回しても

(ぼくがぜんぶみかたにしてあげるから)

僕が全部味方にしてあげるから

(かくれてなんかいないででておいで)

隠れてなんかいないで出ておいで

(もういいかい)

もういいかい？

(もういいよ)

もういいよ