ヰ世界の宝石譚

(きずだらけのとりがそらをなでる)

瑕だらけの鳥が　空を撫でる

(うそつきのへいきがゆめをともす)

うそつきの兵器が　夢を灯す

(といといといへんじはなくかいもなく)

問い　問い　問い　返事は無く解もなく

(にわかたびいくあてをせおっていきるは)

俄旅　行く宛てを背負って生きるは

(ことばのさいれんがひかりふさぐ)

言葉の彩蓮が　光塞ぐ

(でたらめのせいぎとほしのはれ)

出鱈目の正義と星の腫れ（ハレ）

(とおいとおいとおいいこくのほうせきばこ)

遠い　遠い　遠い　ヰ国の宝石箱

(あけるたびどろまみれになる)

開けるたび泥まみれになる

(それをみて)

それを見て

(わらうものたえるものおちるものはせるもの)

嗤うもの　堪えるもの　堕ちるもの　馳せるもの

(なげくものかれるものさけぶものきえるもの)

嘆くもの　枯れるもの　叫ぶもの　消えるもの

(わらうものたえるものおちるものはせるものなげくもの)

嗤うもの　堪えるもの　堕ちるもの　馳せるもの　嘆くもの

(にじのまちはもえていた)

虹の街は燃えていた

(すばらしきいせかい)

スバラシキ（ヰ）世界

(すばらしきいせかい)

スバラシキ（ヰ）世界

(そうであってほしいいやねがい)

そうで在ってほしい　いや、願い？

(まだこぼれないで)

まだ、零れないで！

(このこえがかれてしまうまえに)

この声が、枯れてしまう前に。

(なまえもないはなをかるけもの)

名前もない花を　狩る獣

(あれはてたていととゆめのわれ)

荒れ果てた帝都と　夢の割れ（ワレ）

(やみいやみやまいいこくのほうせきばこ)

闇　厭味　病　異酷の砲石箱

(ふれるたびあざだらけになる)

触れるたび痣だらけになる

(それはただ)

それはただ

(もろいものわめくもの)

脆いもの？　喚くもの？

(きえるものさけるもの)

消えるもの？　裂けるもの？

(はれるもの)

腫れ/晴れるもの？

(にじんでゆくしかいさえも)

滲んでゆく、視界さえも

(すばらしきいせかい)

スバラシキ（ヰ）世界

(すばらしきいせかい)

スバラシキ（ヰ）世界

(きずついてばかりおぼれてさあ)

傷ついてばかり　溺れてさあ

(でもこぼれないで)

でも、零れないで！

(すくわれるこころがあるのなら)

スクワレル心があるのなら

(ふりむくしょうねんてにはじゅう)

振り向く少年　手には銃

(にぶいどろおおうひかり)

鈍い泥　覆う光

(あめがつれてきたにじのうた)

雨が連れてきた　虹の唄

(はじめましていせかい)

ハジメマシテ（ヰ）世界

(さよならいせかい)

サヨナラ（ヰ）世界

(すばらしきいせかい)

スバラシキ（ヰ）世界

(すばらしきいせかい)

スバラシキ（ヰ）世界

(そうであってほしいいやねがい)

そうで在ってほしい　いや、願い！

(まだこぼれないであしたはきっと)

まだ零れないで　明日はきっと

(すばらしきいせかい)

スバラシキ（ヰ）世界

(すばらしきいせかい)

スバラシキ（ヰ）世界

(わたしはみたわたしはきいた)

私は見た！私は聴いた！

(どろにまみれたってそれはほうせきなんだ)

泥に塗れたって、それは宝石なんだ！

(ひとはかつてせかいにこぼれたこのじょうちょを)

ヒトはかつて、世界に零レたこの情緒を

(いったいなにとよんだのだろう)

いっタい何と呼んだノだろう！

(ああららら)

あア　la　薇　螺