さよならを過ぎて／酒井法子

(とつぜんのすこーるがいちめんにかけぬけた)

突然のスコールが いちめんに駆け抜けた

(あなたがかすんでなぎさをさがしたわ)

あなたが かすんで 渚を探したわ

(あまぐもはたいようとあなたまでつれさると)

雨雲は太陽と あなたまで連れ去ると

(そのときふあんなよかんがはじけてた)

その時 不安な 予感がはじけてた

(たそがれのきすのかくど)

たそがれの キスの角度

(なみにかかとおよいでたあいもゆらぎつつ)

波にかかと 泳いでた 愛もゆらぎつつ

(なやんだすえなやんだすえあなたはことばを)

悩んだ末 悩んだ末 あなたは言葉を

(えらびあぐねひざしのなかうつむいただけで)

選びあぐね 日差しの中 うつむいただけで

(うなずくまでうなずくまでわたしのかくごは)

うなずくまで うなずくまで 私の覚悟は

(ゆれるうみにもまれるよう)

揺れる海に もまれるよう

(さよならのもじにおされてた)

さよならの 文字に押されてた

(あきはなつをやさしくころしにくるすぱいと)

秋は夏をやさしく 殺しに来るスパイと

(だれかがいってたつらいたとえばなし)

誰かが 言ってた つらいたとえばなし

(けれどいまおだやかにくものいろながめてる)

けれど今おだやかに 雲の色眺めてる

(みくろにおもいでそらへときえてゆく)

ミクロに 思い出 空へと消えてゆく

(これでいいいいきかせて)

これでいい 言い聞かせて

(こころにまだすこーるがときおりふりだす)

心にまだ スコールが 時折降り出す

(はれていくとはれていくときせつにねがって)

晴れていくと 晴れていくと 季節に願って

(なみだがふとおちてくるのたそがれがにくい)

涙がふと 落ちてくるの たそがれが憎い

(あなただってあなただっておおきなかくごを)

あなただって あなただって 大きな覚悟を

(えらんだのねさみしいめで)

選んだのね さみしい目で

(うつむいたあのなつのおわり)

うつむいた あの夏の終り

(ほんのにどでんわのべる)

ほんの二度 電話のベル

(ながいこーるわかってるだけどとどめだわ)

長いコール わかってる だけどとどめだわ

(なやんだすえなやんだすえわたしもさよなら)

悩んだ末 悩んだ末 私もさよなら

(えらんだのよだからいまはあきにまけないで)

選んだのよ だから今は 秋に負けないで

(あなただってあなただっておおきなゆうきで)

あなただって あなただって 大きな勇気で

(えらんだのねさみしいめで)

選んだのね さみしい目で

(うつむいたあのなつのおわり)

うつむいた あの夏の終り