記憶

(あれからきみはどうだい)

あれから君はどうだい？

(いまもかわらないにちじょうすごしてるかい)

今も変わらない日常過ごしてるかい？

(うそもきもつかわなくていいから)

嘘も気も使わなくていいから

(えらんだみちをおしえてよ)

選んだ道を教えてよ

(おもいではいまでもいきているだろうか)

想い出は今でも生きているだろうか

(からからにかわいてしまった)

カラカラに乾いてしまった

(きおくのなかなみだひとつこぼす)

記憶の中涙ひとつ零す

(くだけてしまわないように)

砕けてしまわないように

(けれどときはうつろうもの)

けれど時は移ろうもの

(こわれていくはしのはしいちばんとおいばしょから)

壊れて行く端の端、一番遠い場所から

(さいきんはどうさいきんはどうさいきんはどういとしいひと)

最近はどう？最近はどう？最近はどう？　愛しい人

(しあわせとよぶにはほどとおかったきがした)

幸せと呼ぶには程遠かった気がした

(すきだったひとすてきれぬひとすばらしいひとすべてささげたひと)

好きだった人、捨てきれぬ人、素晴らしい人　全て捧げた人

(せかいにたったひとり)

世界にたった一人

(それがきみのしあわせだというなら)

それが君の幸せだと言うなら

(たまたまのぞいたいんすたのすとーりー)

たまたま覗いたインスタのストーリー

(ちかくにいたのはみしらぬえがおとそのさきのものがたり)

近くにいたのは見知らぬ笑顔とその先の物語

(つっかえたようにゆびがとまった)

つっかえたように指が止まった

(てからつたわるぬくもり)

手から伝わる温もり

(とけていくように)

溶けていくように

(なにかがすーっとからまったの)

何かがスーッと絡まったの

(なかないでよなかないでよなかないでよいとしいひと)

泣かないでよ　泣かないでよ　泣かないでよ　愛しい人

(こわいろやそのしぐさもこころからあいしてたの)

声色やその仕草も、心から愛してたの

(ぬきとってもぬりたくってもぬぐえないかこぬらしたままのかお)

抜き取っても、塗りたくっても、拭えない過去　濡らしたままの顔

(ねがいはたったひとつ)

願いはたったひとつ

(のこりのすべてにえがおさくように)

残りの全てに笑顔咲くように

(はっぴーえんどじゃなかったとして)

ハッピーエンドじゃなかったとして

(ひからびたぬけがらになったって)

干からびた抜け殻になったって

(ふたしかなものにひかれたいの)

不確かなものに惹かれたいの

(へたくそなゆめをえがいていたいよ)

下手くそな夢を描いていたいよ

(ほかにだれかあらわれたとして)

他に誰か現れたとして

(まちがいさがしとはじめまして)

間違い探しと初めまして

(みつかるはずもないでしょ)

見つかるはずもないでしょ

(むずかしいことはもうないでしょ)

難しいことはもうないでしょ

(めざしたさきにはいないんだよ)

目指した先にはいないんだよ

(もうなにもいわなくていいからさ)

もう何も言わなくていいからさ

(やっとわかったきがした)

やっとわかった気がした

(ゆれるひとみのおく)

揺れる瞳の奥

(よりかえすなみのように)

より返す波のように

(らすとにむかうことのはのられつ)

ラストに向かう言の葉の羅列

(りそうかかげながらふりかえりもせず)

理想掲げながら振り返りもせず

(るいせんにはふたを)

涙腺には蓋を

(れっかしていくきおくも)

劣化していく記憶も

(ろうそくのひのようにふっと)

ロウソクの火のように　ふっと