希望論　yama

(せいかいなんてないからね)

正解なんて無いからね

(わざとおおきいこえでさけぶせかい)

わざと大きい声で叫ぶ世界

(だいたいだいたいひんせだいゆえのそんざいしょうめいをいま)

大体代替品世代 故の存在証明を今

(ひえたかんびーるのきせつです)

冷えた缶ビールの季節です

(あせではりついたてぃーしゃつがいう)

汗で張り付いたTシャツが言う

(ここでじばくてろのそくほうです)

ここで自爆テロの速報です

(びるにはりついたがめんがいう)

ビルに張り付いた画面が言う

(つゆはあけかいせいがつづくでしょう)

梅雨は明け快晴が続くでしょう

(もやがかかったあすふぁるとがいう)

モヤがかかったアスファルトが言う

(ほどうをまったしんぶんしがいう)

歩道を舞った新聞紙が言う

(ところであなたはだれ)

ところで貴方は誰

(いやほんからながれだすいつもどおりのおんがくが)

イヤホンから流れ出す いつも通りの音楽が

(ぼくをあざわらってるようにかんじてしまったんですたんです)

僕を嘲笑ってるように感じてしまったんです たんです

(せいかいなんてないからね)

正解なんて無いからね

(わざとおおきいこえでさけぶせかい)

わざと大きい声で叫ぶ世界

(だいたいだいたいひんせだいゆえのそんざいしょうめいを)

大体代替品世代 故の存在証明を

(ことばにすりかわるまえの)

言葉にすり変わる前の

(いかりによくにたこのきぼうを)

怒りによく似たこの希望を

(わすれないようにはたをたて)

忘れないように旗を立て

(いつかふたたびここでおちあおう)

いつか再びここで落ち合おう

(よこたわったひびのたいだ)

横たわった日々の怠惰

(なにもないとははいぼくのよう)

何もない とは敗北のよう

(なにもないってわらいないたら)

何もない って笑い泣いたら

(かわいがられたはぎしりがした)

可愛がられた 歯軋りがした

(あしたのよるまたここでおあいしましょう)

明日の夜またここでお会いしましょう

(とそうのはげたふるべんちがいう)

塗装の剥げた古ベンチが言う

(ろぼうにくちたしゅうかんしがいう)

路傍に朽ちた週刊誌が言う

(きみにきょうみはないよ)

君に興味はないよ

(だってかねにもならないし)

だって金にもならないし

(さらりーふりこみのつうちうつりこむあんどしたかおこそ)

サラリー振り込みの通知 写り込む安堵した顔こそ

(ぼくががようしにかくべきみらいのぼくだったんですたんです)

僕が画用紙に描くべき「みらいのぼく」だったんです たんです

(もんだいはやまづみだね)

問題は山積みだね

(ほんとううるさいこえでわらうせかい)

本当うるさい声で笑う世界

(だいだいてきかいまくしだいぼくのゆううつはなしになって)

大々的開幕次第 僕の憂鬱は無しになって

(ことばにしないとわかんないよ)

言葉にしないと分かんないよ

(なんどもいわれたそのしどうろん)

何度も言われたその指導論

(うなずきながらつめをたて)

頷きながら爪を立て

(いつかなんていつまでまてばいいの)

いつかなんていつまで待てばいいの

(うだうだいろいろかんがえたら)

うだうだ色々考えたら

(どいつもこいつもしゃべりだして)

どいつもこいつも喋り出して

(かんじんなことはわからない)

肝心な事は分からない

(けっきょくひとつもいえやしない)

結局一つも言えやしない

(なにもいえやしないけどこのうただけぼくのほんとうだ)

何も言えやしないけどこの歌だけ僕の本当だ

(なんてつよがりじみてもおおまじめにうたいたいですたいです)

なんて強がりじみても大真面目に歌いたいです たいです

(しょうらいなんてしらないよ)

将来なんて知らないよ

(ぼくがぼくでなくてもまわるしゃかい)

僕が僕で無くても廻る社会

(だいだいいろにそまるまちここにあるあかしとしてのかげ)

橙色に染まる街 個々に在る証としての影

(せいかいだってあるはずだ)

正解だってあるはずだ

(ぼくがぼくであるならみえるせかい)

僕が僕であるなら見える世界

(さんざんだったかこのかせ)

散々だった過去の枷

(すべてひきずってなおあるくよ)

全て引きずって尚歩くよ

(ことばにしたけどつたわるかな)

言葉にしたけど伝わるかな

(いかりによくにたこのきぼうろん)

怒りによく似たこの希望論

(わすれたふりだけうまいぼくら)

忘れたフリだけ上手い僕ら

(ふたたびここでまたあおうね)

再びここでまた会おうね

(ことばにしたけどつたわるかな)

言葉にしたけど伝わるかな

(いかりによくにたこのきぼうろん)

怒りに良く似たこの希望論