私こそがふさわしい

(らもっとはくしゃくふじん ここがわたしのぷらいべーとのいんさつじょです)

ラ・モット伯爵夫人 ここが私のプライベートの印刷所です

(いちばんしんらいしているゆうじんにだけ たちいりをきょかしています)

一番信頼している友人にだけ 立ち入りを許可しています

(なぜわたしのことをそこまで)

なぜ私の事をそこまで？

(せんじつのぶとうかいで おうひがだいしきょうにたいしてしつれいなたいどをとりました)

先日の舞踏会で 王妃が大司教に対して失礼な態度をとりました

(そのときあなたはたいへんなしょっくをうけておられた)

その時あなたは大変なショックを受けておられた

(おうひにしかえしをするためなら なんだってやります)

王妃に仕返しをするためなら なんだってやります

(わたしたちはおなじもくてきをもっているのです)

私達は同じ目的を持っているのです

(かれはじゃっくえべーるといいます)

彼はジャック・エベールといいます

(わたしのところにこのしをもちこんできました)

私のところにこの詩を持ち込んできました

(おもしろいのでかいとっていんさつさせているのです)

面白いので買い取って印刷させているのです

(まだむわたしもあばずれのふらんすおうひがだいきらいです)

マダム　私もあばずれのフランス王妃が大嫌いです

(すてきねとてもいいわ)

素敵ねとてもいいわ

(はくしゃくさまみんなおおよろこび ちらしもくばりきったわ)

伯爵様　みんな大喜び！ チラシも配り切ったわ

(らもっとはくしゃくふじん まるぐりっとあるのーをごしょうかいしましょう)

ラ・モット伯爵夫人 マルグリット・アルノーをご紹介しましょう

(わたしたちはいっしょにはたらいています)

私達は一緒に働いています

(わたしがしをかき かのじょがろじょうでひろうします)

私が詩を書き 彼女が路上で披露します

(すばらしいわ)

素晴らしいわ

(もしかのじょがきちんときかざったら おうひとかんちがいされるかもね)

もし彼女がきちんと着飾ったら 王妃と勘違いされるかもね

(このうたをうたうことで かのじょはわたしたちのえいゆうになるのです)

この歌を歌うことで 彼女は私たちの英雄になるのです

(ねえなんであたしたちのみかたをするの)

ねえ　なんであたし達の味方をするの？

(あんたはかねもちでしょ それにきぞくだわ)

あんたは金持ちでしょ？ それに貴族だわ

(なんでかのじょをきらうの)

なんで彼女を嫌うの？

(きらってなどいない)

嫌ってなどいない

(けんりょくのざからひきずりおろしたいだけだ)

権力の座から引きずりおろしたいだけだ

(かのじょがしっきゃくすればおうもしっきゃくする)

彼女が失脚すれば王も失脚する

(おぼえとけわれらのねらいはおなじなのだ)

覚えとけ　我らの狙いは同じなのだ

(おまえはうたえばいい こちらのすじがきどおりに)

お前は歌えばいい こちらの筋書き通りに

(けんりょくもめいせいもこのていどじゃまんぞくしない)

権力も名声もこの程度じゃ満足しない

(わたしはしはいしゃになるべきだから)

私は支配者になるべきだから

(やしんこそすべてもらるなどじゃまだ)

野心こそすべて　モラルなど邪魔だ

(すぐれたものがかつ)

優れた者が勝つ

(かちぬくのはそうわれらだ)

勝ち抜くのはそう我らだ！

(かねならくれてやるだがけんりょくはわたしに)

金ならくれてやる　だが権力は私に

(てをくみしかけろ)

手を組み仕掛けろ

(にくしみでつぶせおうひを)

憎しみで潰せ　王妃を

(ひがついたぐんしゅうかならずたちあがるぞ)

火がついた群衆　必ず立ち上がるぞ

(そのひこそわれらがすくいのみちだ)

その日こそ我らが救いの道だ

(どんなてもつかえようしゃはしない)

どんな手も使え　容赦はしない

(つよいものがかつ)

強い者が勝つ

(かちぬくのはこのわたしだ)

勝ち抜くのはこの私だ

(もらるなどぎぜんしゃとまけいぬのろんりだ)

モラルなど偽善者と負け犬の論理だ

(おくびょうものどもはふるえてねむれ)

臆病者どもは震えて眠れ

(やしんこそすべて)

野心こそすべて

(もらるなどじゃまだ)

モラルなど邪魔だ

(このくにのしはいしゃ)

この国の支配者

(ふさわしいのはわたしだ)

ふさわしいのは私だ

(そうわたしだ)

そう私だ！