橙一点

(げどうはげせないげんせを)

外道は解せない　現世を

(めいかはめいもんのめいせいを)

名家は名門の　名声を

(ごぜんはこじらすごていねいを)

御前はこじらす　ご丁寧を

(ぼんじんはゆめをみないように)

凡人は夢を見ないように

(せんじんをあがめたてるように)

先人を崇め立てるように

(せいじんがくたばるこのよに)

聖人がくたばるこの世に

(きをてらうが)

奇を衒うが

(せいとうなきりをねらうが)

正当無き利を狙うが

(せいじょうさがいをおうだ)

正常さが胃を殴打

(みのけもよだつな)

身の毛もよだつな

(かんたんに)

簡単に

(やみをうがつな)

闇を穿つな

(ゆらぎそうだかれそうだ)

揺らぎそうだ　枯れそうだ

(こころのさいが)

心の差異が

(すくいなんだむくいたいんだ)

救いなんだ　報いたいんだ

(ひよてらすな)

陽よ照らすな

(かぎりのあるさいをうばうな)

限りのある債を奪うな

(いのちからがらをえらんだ)

命からがらを選んだ

(ありしひのぼくでいたいから)

在りし日の僕でいたいから

(えいよもくろんだはんせいふのれいど)

栄誉　目論んだ反政府のレイド

(はからったぎょうせいふのめいもくあえなくはいとうれいを)

計らった行政府の名目　あえなく廃刀令を

(きをてらうが)

奇を衒うが

(せいとうなきりをねらうが)

正当無き利を狙うが

(えんじょうならじんせいおうか)

炎上なら人生謳歌

(よごれてからいな)

汚れてから否

(ていちょうに)

丁重に

(われをうらんだゆえにわれがあるとしった)

我を恨んだ　故に我が在ると知った

(たがためかねはなるのだろうかぼくはどうだ)

誰が為　鐘は鳴るのだろうか　僕はどうだ？

(しのくちびがりんりをやき)

死の口火が　倫理を焼き

(くいのむくいがからだをさき)

悔いの報いが　身体を裂き

(ばんじびみだ)

万事美味だ

(けいあいなきみをおもえば)

敬愛無き身を想えば

(ほえてほえてほえてもやもゆる)

吠えて吠えて吠えて靄燃ゆる

(はいではいではいでばけのうーる)

剥いで剥いで剥いで化けのウール

(しょうせいならくをかけめぐる)

小生奈落を駆け巡る

(いつかははがとどきうる)

いつかは刃が届き得る

(ふがいないわがみあいもなし)

不甲斐ない　我が身愛もなし

(ひとにぎりこぼれおちるいしここでいきるいみ)

一握り　こぼれ落ちる石　此処で生きる意味

(とうにくらんだみせられたんだえらべたんだ)

橙に眩んだ　魅せられたんだ　選べたんだ

(とがをつむればともるだろうかいやちがうな)

咎を瞑れば　点るだろうか　いや違うな

(やみをうがつな)

闇を穿つな

(ゆらぎそうだかれそうだ)

揺らぎそうだ　枯れそうだ

(ここがいたいが)

ここが痛いが

(ましなきょうがあすをどうか)

ましな今日が　明日を導火

(くものうえそらにひとつまだとおいね)

雲の上　空に一つ　まだ遠いね

(それでもただまだといえ)

それでもただ　まだと言え

(やみにひとつとういってん)

闇に一つ　燈一点