有象無象も踊る夢/獅子志司

(まんしんそういむぼうに)

満身創痍　無謀に

(とびこんだしょうねんはいかように)

飛び込んだ少年は　如何様に

(そむけばもどれはしないが)

背けば　戻れはしないが

(ゆめみるだけじゃはいぼくしゃなのだから)

夢見るだけじゃ　敗北者なのだから

(すくいようのないようなひび)

救いようのないような日々

(いつもどおりいきるどうりを)

いつも通り　生きる道理を

(たいようのまいご)

太陽の迷子

(せかいもないがしろ)

世界も蔑ろ

(ぼくのじゅうねんごのさんじょう)

僕の十年後の惨状

(きづけばきみはあけのみょうじょう)

気付けば君は明けの明星

(こんなはずじゃないぞうぞうむぞうのゆめをみた)

こんなはずじゃないぞ　有象無象の夢を見た

(むしゃぶるいのよあけ)

武者震いの夜明け

(ばんぜんだっためいそうびくずれおちていくはせんじょうに)

万全だった名装備　崩れ落ちていくは戦場に

(あがけようれいのぐんぜいなど)

足掻けよ　憂いの軍勢など

(まだだきしかいせいのれんめいも)

まだだ起死回生の連盟も

(ともだおれにおわるせんれいを)

共倒れに終わる洗礼を

(それでもだとしてもなんども)

それでもだとしても何度も

(ゆめみるだけじゃはいぼくしゃのざれごと)

夢見るだけじゃ敗北者の戯言

(すいこんだいきにさんかたんそがおおいな)

吸い込んだ息　二酸化炭素が多いな

(しをつうを)

死を　痛を

(かんじられながらいきられればほんもう)

感じられながら　生きられれば本望

(ひとはかるはずみなげんどう)

人は軽はずみな言動

(むけられたむくちのじゅうこう)

向けられた無口の銃口

(にげばなんてないぞじょうとう)

逃げ場なんてないぞ　上等

(かれのゆくえはいずこ)

彼の行方は何処

(しらぬがわがため)

知らぬが　我が為

(せんじんたちのめいげんもかくさんされたかれのせいろんも)

先人たちの名言も　拡散された彼の正論も

(ここにとどかなきゃいみないぞ)

ここに届かなきゃ意味ないぞ

(やどるふぐたいてんのこんじょうろん)

宿る不倶戴天の根性論

(けがれなきおめいにへんじょうを)

汚れなき汚名に返上を

(やるせないことばがうかんだんだ)

やるせない　言葉が浮かんだんだ

(ふたしかなゆめちゅうにまいおどるよるに)

不確かな夢　宙に舞い踊る夜に

(からまるてとてまじわうめとめ)

絡まる手と手　交わう目と目

(つむぎだしたこたえにもうきみはいないが)

紡ぎ出した答えにはもう君はいないが

(いないが)

いないが

(ぼくのじゅうねんごのさんじょう)

僕の十年後の惨状

(きづけばきみはあけのみょうじょう)

気付けば君は明けの明星

(こんなはずじゃないぞうぞうむぞうのゆめのなか)

こんなはずじゃないぞ　有象無象の夢の中

(はじまりのかねを)

始まりの鐘を

(ばんぜんだっためいそうび)

万全だった名装備

(くずれおちていかずはふじょうり)

崩れ落ちていかずは不条理

(だれもたいとうなせかいであいに)

誰も対等な世界で愛に

(ふれていたいとねがうんだ)

触れていたいと願うんだ

(てんぺんちいのかくめいをのこされたいとしきじんせいに)

天変地異の革命を　残された愛しき人生に

(ささげてさけぶがよのつね)

捧げて叫ぶが世の常

(ゆめみるだけのはいぼくしゃのざれごとでは)

夢見るだけの敗北者の戯言では

(おわれないんだ)

終われないんだ