蕾

(なみだこぼしてもあせにまみれたえがおのなかじゃ)

涙こぼしても汗にまみれた笑顔の中じゃ

(だれもきづいてはくれないだからあなたのなみだをぼくはしらない)

誰も気づいてはくれないだからあなたの涙を僕は知らない

(たやすことなくぼくのこころにともされていた)

絶やすことなく僕の心にともされていた

(やさしいあかりはあなたがくれたりゆうなきあいのあかし)

優しい明かりはあなたがくれた理由なき愛の証

(やわらかなひだまりがつつむせなかにぽつりはなしかけながら)

柔らかな陽だまりが包む背中にぽつり話しかけながら

(いつかこんなひがくることもきっときっときっと)

いつかこんな日が来ることもきっときっときっと

(わかっていたはずなのに)

わかっていたはずなのに

(きえそうにさきそうなつぼみがことしもぼくをまってる)

消えそうに咲きそうな蕾が今年も僕を待ってる

(てのひらじゃつかめないかぜにおどるはなびら)

テノヒラじゃつかめない風に踊る花びら

(たちどまるかたにひらりじょうずにのせてわらってみせた)

立ち止まる肩にひらり上手に乗せて笑って見せた

(あなたをおもいだすひとり)

あなたを思い出す一人

(びるのたにまにうもれたゆめもいつかめぶいて)

ビルの谷間に埋もれた夢もいつか芽吹いて

(はなをさかすだろうしんじたゆめはさくばしょをえらばない)

花を咲かすだろう信じた夢は咲く場所を選ばない

(ぼくらこのまちにおとされたかげぼうしみんなひかりをさがして)

僕らこの街に落とされた影法師みんな光を探して

(かさなりあうときのながれもきっときっときっと)

重なり合う時の流れもきっときっときっと

(おいこせるひがくるさ)

追い越せる日が来るさ

(かぜのないせんろみちごがつのみそらはあおくさびしく)

風のない線路道五月の美空は青く寂しく

(うごかないちぎれぐもいつまでもうかべてた)

動かないちぎれ雲いつまでも浮かべてた

(どこにももうもどれない)

どこにももう戻れない

(ぼくのようだとささやくかぜにきらりまいおちてくなみだ)

僕のようだとささやく風にきらり舞い落ちてく涙

(ちりぎわにもういちどひらくはなびらはあなたのように)

ちり際にもう一度開く花びらはあなたのように

(きこえないがんばれをにぎったりょうてになんどもくれた)

聞こえない頑張れを握った両手に何度もくれた

(きえそうにさきそうなつぼみがことしもぼくをまってる)

消えそうに咲きそうな蕾が今年も僕を待ってる

(いまもまだつかめないあなたとえがいたゆめ)

今もまだつかめないあなたと描いた夢

(たちどまるぼくのそばでやさしくひらく)

立ち止まる僕のそばで優しく開く

(えがおのようなつぼみをさがしてるそらに)

えがおのような蕾を探してる空に