命に価値はないのだから

(はいけいはこにわからうたいますうまれくるあなたへ)

拝啓、匣庭から歌います　生まれ来るあなたへ

(そっちのちょうしはいかがですか)

そっちの調子はいかがですか

(さむくなんてないといいんだけれど)

寒くなんてないと良いんだけれど

(もうだいじょうぶここならきこえないあらそいもそしりも)

もう大丈夫　ここなら聴こえない　争いも謗りも

(なにがよくてなにがわるいのかかみさまもおしえちゃくれない)

何が良くて何が悪いのか　神様も教えちゃくれない

(しらぬまかがいしゃたりえるこのせかい)

知らぬ間　加害者　たりえるこの世界

(どうかしあわせで)

どうか幸せで

(いきてることもしんでることもおなじ)

生きてることも　死んでることも同じ

(みんなひとしくかちのないいのち)

皆等しく　価値のない命

(はなもみずもからすもひともぐうぜんにそこにいただけの)

花も水もからすも人も　偶然にそこに居ただけの

(しっぱいだとかみとめられないだとか)

失敗だとか　認められないだとか

(かんけいないさくらべなくていい)

関係ないさ　比べなくていい

(せかいはあるがままうつくしいんだと)

世界はあるがまま美しいんだと

(あなただけはしんじていて)

あなただけは　信じていて

(もうすこしはなそうかこのせかいのうそとほんとのこと)

もう少し話そうか　この世界の嘘と本当のこと

(どうとくとよばれたかみくずになぐりかいたたすけてのさいん)

道徳と呼ばれた紙屑に　殴り書いた助けてのサイン

(つかのまつみあげたくずれるすなのしろ)

束の間　積み上げた　崩れる砂の城

(むぼうびにわらう)

無防備に笑う

(どうせぼくらはいきるりゆうをもとめてすがりついてはだれかみくだした)

どうせ僕らは　生きる理由を求めて　縋り付いては　誰か見下した

(そうやってつくったあしもとがなきゃたつこともままならないから)

そうやって作った足元が無きゃ　立つことも侭ならないから

(だけどあなたはぼくみたいにならずに)

だけどあなたは　僕みたいにならずに

(いきてほしくてめろでぃをかくよ)

生きて欲しくて　メロディを書くよ

(このこえがまだとどいているのなら)

この声がまだ届いているのなら

(ねぇどうかへんじをして)

ねぇどうか　返事をして

(ひとをさばくものがひとであるいじょうはかたむかないてんびん)

人を裁く者が　人である以上は　傾かない天秤

(どろにまみれたはなためらいなくすくうさいごのひとりになるとしても)

泥に塗れた花　躊躇いなく掬う　最後の一人になるとしても

(いつかはぼくもきえさってしまうけどしんぱいないさすぐそばにいるよ)

いつかは僕も　消え去ってしまうけど　心配ないさ　すぐそばにいるよ

(このみのつきるそのときまでぶしつけなひがさすばしょから)

この身の尽きるその時まで　不躾な日が差す場所から

(もううんざりさなにものでなくていい)

もううんざりさ　何者でなくていい

(いのちにかちはなくていいから)

命に価値は　無くていいから

(あなたがあるがままいきていいんだと)

あなたがあるがまま生きて良いんだと

(おもえるまでうたわせて)

思えるまで　歌わせて

(このこえがまだとどいているのなら)

この声がまだ届いているのなら

(ねぇどうか)

ねぇどうか

(しあわせで)

幸せで