わたし

(ありえないところまでこころがうごきだす)

有り得ないところまで　心が動き出す

(なにげないことばすら)

何気ない言葉すら

(ひとつひとつこのむねをうばっていく)

ひとつひとつ　この胸を奪っていく

(よごれたくつみがいても)

汚れた靴　磨いても

(またすぐにどうせどろだらけになんだ)

またすぐにどうせ　泥だらけになんだ

(むだなことでつかれるくらいなら)

無駄なことで　疲れるくらいなら

(いっそほらさっさとさ)

いっそほら　さっさとさ

(そんなものしまっておこう)

そんなもの仕舞っておこう

(わかってはいるよきっとにげてるだけだと)

わかってはいるよ　きっと逃げてるだけだと

(あなたにわたしはみせたくない)

あなたに”わたし”は見せたくない

(ありえないところまで)

有り得ないところまで

(こころがうごきだすなにげないことばすら)

心が動き出す　何気ない言葉すら

(ひとつひとつこのむねをうばっていく)

ひとつひとつ　この胸を奪っていく

(わりとうまくやれてるの)

わりと上手く　やれてるの

(ふたしかなもんにみだされたくないわ)

不確かなもんに乱されたくないわ

(こわれものをふいにあずけたなら)

コワレモノを不意に預けたなら

(きずついて、きずつけてなおるほしょうもないのに)

傷ついて、傷つけて　直る保証もないのに

(わかってはいるよ)

わかってはいるよ

(それでもとめられないの)

それでも止められないの

(なんだかわたしがわたしじゃない)

なんだか”わたし”がわたしじゃない

(ありえないおとがする)

有り得ない音がする

(こころでたえまなくたわいないいちびょうも)

心で絶え間なく　他愛ない一秒も

(ふかくふかくこのむねにきざまれていく)

深く深く　この胸に刻まれていく

(そのいみは？そのかちは？)

その意味は？その価値は？

(こたえようのないといだけど)

答えようのない問いだけど

(それなのになぜそれなのになぜ)

それなのになぜ　それなのになぜ

(なにかをみつけたようなきもちでいる)

何かを見つけたような気持でいる

(わかってはいるよ)

わかってはいるよ

(きっとすてきなことだと)

きっと素敵なことだと

(それでもわたしがおいつかない)

それでも”わたし”が追い付かない

(ありえないところまで)

有り得ないところまで

(こころがうごきだすなにげないことばすら)

心が動き出す　何気ない言葉すら

(ひとつひとつこのむねをうばっていく)

ひとつひとつ　この胸を奪っていく

(わたしをうばっていく)

”わたし”を奪っていく