視力検査

(きみはまたぼくのことこまらせる)

君はまた僕のこと困らせる

(はるかかなたのえんのかけたとこ)

遥か彼方の円の欠けたとこ

(じょうげさゆうのどこかけてますか)

「上下左右のどこ欠けてますか？」

(ぼくにわかるはずもない)

僕に分かるはずもない

(いたずらなまなざしできみがいう)

悪戯な眼差しで君が言う

(したにいけばいくほどちいさくなる)

下に行けば行くほど小さくなる

(それじゃあこちらはどこがかけてますか)

「それじゃあこちらはどこが欠けてますか？」

(ぼくにみえるはずもない)

僕に見えるはずもない

(めがねをおもむろにはずさせてきて)

眼鏡をおもむろにはずさせてきて

(しっこくのすぷーんをあてさせて)

漆黒のスプーンをあてさせて

(はずかしめようとでもしているの)

辱めようとでもしているの？

(なにをはかろうとなにをためそうと)

何を図ろうと 何を試そうと

(してるのかわからない)

してるのかわからない

(あれはみぎだいやひだりだ)

あれは右だ！いや左だ！

(きみにうそはつけないんだ)

君に嘘はつけないんだ

(ななめうえだいやあれはひらがなかも)

斜め上だ！いやあれは平仮名かも？

(もうすこしちかくではなそうこいのしりょくで)

もう少し近くで話そう恋の視力で

(そのかるてになにをかいているの)

そのカルテに何を書いているの？

(だれにだっておんなじたいどなの)

誰にだっておんなじ態度なの？

(ふたりのえんはかけたまんまなの)

二人の縁は欠けたまんまなの？

(きみにはみえているの)

君には見えているの？

(はんたいのめもはかりましょうなんて)

「反対の目も測りましょう」なんて

(しっこくのすぷーんをもちかえて)

漆黒のスプーンを持ち替えて

(きみはじゅんぱくにみをつつんで)

君は純白に身をつつんで

(みえないなにかをみせようとする)

見えない何かを見せようとする

(あぁこいはもうもく)

あぁ恋は盲目

(あれはうえだいやしたかな)

あれは上だ！いや下かな！

(きみのまえじゃされるがまま)

君の前じゃされるがまま

(ただのてんだいやあれはかたかなだ)

ただの点だ！いやあれはカタカナだ

(すうじっていわないであいのしりょくは２．０)

数字って言わないで 愛の視力は2.0

(あれはみぎだいやひだりだ)

あれは右だ！いや左だ！

(きみにうそはつけないんだ)

君に嘘はつけないんだ

(ななめうえだいやあれはひらがなかも)

斜め上だ！いやあれは平仮名かも

(もうすこしちかくではなそうこいのしりょくで)

もう少し近くで話そう恋の視力で

(さいごにきみはほほえんで)

最後に君は微笑んで

(いまのめがねでだいじょうぶです)

「今の眼鏡で大丈夫です」