風信子

(さよならたびだつあさまどべにかざったいちりんざしのはなは)

さよなら　旅立つ朝　窓辺に飾った一輪挿しの花は

(あわくいろづきみまもるようにあなたのよこでさいている)

淡く色づき　見守るように　あなたの横で咲いている

(またくるよふりかえるとこどもみたいにちいさくふるそのては)

「また来るよ」振り返ると　子供みたいに小さく振るその手は

(かたおとすかえりみちなにもいわずにあたまをなでてくれたて)

肩落とす帰り道　何も言わずに　頭をなでてくれた手

(ふるびたそふぁーにすわりこもれびのなかなにをおもっているの)

古びたソファーに座り　木漏れ日の中　何を思っているの

(かけぬけたみちであったひとたちはかりしれないひび)

駆け抜けた道　出会った人達　計り知れない日々

(みなもにうつるきらめきみていたまなざし)

水面に映る　煌き見ていた　眼差し

(ひとりでひとりでぜんぶかかえていつだってそんなふうにわらって)

独りで　独りで全部抱えて　いつだってそんなふうに笑って

(すこしはすこしだけでもできることならあなたにかえしたいありがとう)

少しは　少しだけでも出来ることなら　あなたに返したい「ありがとう」

(そらとうみのあいだにふいたおもいよはばたいてゆけ)

空と海の間に吹いた　想いよ　羽ばたいてゆけ

(いつかはさりゆくさだめまっしろなひかりとなりかえってゆくのだろう)

いつかは去りゆく運命　真っ白な光となり　還ってゆくのだろう

(だれかのためにとがむしゃらにいきたすがたがまなこにやきついている)

誰かのためにと　がむしゃらに生きた　姿が眼に焼きついている

(ひとりでひとりでぜんぶかかえていつだってそんなふうにわらって)

独りで　独りで全部抱えて　いつだってそんなふうに笑って

(すこしはすこしだけでもできることならあなたにかえしたいありがとう)

少しは　少しだけでも出来ることなら　あなたに返したい「ありがとう」

(そらとうみのあいだにふいたおもいよはばたいてゆけ)

空と海の間に吹いた　想いよ　羽ばたいてゆけ

(さよならたびだつあさまどべにかざったいちりんざしのはなは)

さよなら　旅立つ朝　窓辺に飾った一輪挿しの花は

(あおくいろづきといかけるようにあなたのよこでさいている)

蒼く色づき　問いかけるように　あなたの横で咲いている

(げんきでいてねもういちどそっとにぎったちいさくなったそのては)

元気でいてね　もう一度そっと握った　小さくなったその手は

(かたおとすかえりみちなにもいわずにあたまをなでてくれたて)

肩落とす帰り道　何も言わずに　頭をなでてくれた手