わかんない/葵木ゴウ

(きたいされていきてみたい)

期待されて生きてみたい

(ただとうほうむのうなもんで)

ただ　当方、無能なもんで

(あまりもんくらいがちょうどいいと)

余りもんくらいがちょうどいいと

(もうきづいてしまったんだ)

もう気付いてしまったんだ

(ぼくはじそんけつらくのろぼっと)

僕は自尊欠落のロボット

(しょきふりょうぱれーど)

初期不良パレード

(うちにひめるかのうせいなんてのはおとぎばなし)

"内に秘める可能性"なんてのはお伽噺

(あぁ)

あぁ

(またもぼくはじぶんをおとしめるんだ)

またも僕は自分を貶めるんだ

(そうしてえるものなんてきりきずくらいなのに)

そうして得るものなんて切り傷くらいなのに

(できるもんならぼくだってじぶんをあいしたい)

出来るもんなら僕だって自分を愛したい

(ただやせこけていくからだでこえたりそうをくらう)

ただ痩せこけていく体で肥えた理想を食らう

(たりないんだこうていしょうにんだののたぐいが)

足りないんだ　肯定、承認だのの類いが

(おなかをみたしたってこころはかけたまんま)

お腹を満たしたって心は欠けたまんま

(できそこないのくせしてかんじょうだけはかびんだ)

出来損ないのくせして感情だけは過敏だ

(ありあわせのがらくたでかくしたしっとじこけんお)

有り合わせのガラクタで隠した嫉妬　自己嫌悪

(みられるのはこわいのになんでいてぇふりしてんだ)

見られるのは怖いのになんで痛ぇふりしてんだ

(ぼくはじそんけつらくのろぼっと)

僕は自尊欠落のロボット

(ひとならざるもの)

人ならざるもの

(このあさましさもぜんぶぜんぶ)

この浅ましさも全部全部

(さぁほめてもっと)

さぁ褒めて　もっと

(あぁ)

あぁ

(やばいよどうしよう)

やばいよ　どうしよう

(へりくつがやまないわ)

屁理屈が止まないわ

(もうしこうかいろはうぃるすにむしばまれてる)

もう思考回路はウィルスに蝕まれてる

(かぎりのあるじんせいをおもいどおりにしたい)

限りのある人生を思い通りにしたい

(くのうなんてないならそれがいい)

苦悩なんてないならそれがいい

(つらいのはもういやだ)

辛いのはもう嫌だ

(あまえなんだろうな)

甘えなんだろうな

(こんなねがいはもうぽいだ)

こんな願いはもうポイだ

(そとづらよくしたってこころはさびたまんま)

外面良くしたって心は錆びたまんま

(なみだみたいなあかいみずがずっととまらないのだ)

涙みたいな赤い水がずっと止まらないのだ

(まどぎわのがーべら)

窓際のガーベラ

(ひどくきれいだな)

酷く綺麗だな

(そのたおやかささえもねたましいなんてはずかしいよな)

その嫋やかささえも妬ましいなんて恥ずかしいよな

(どうかしてるよな)

どうかしてるよな

(どうすりゃなおんのさ)

どうすりゃ治んのさ

(はぁ)

はぁ

(もういやだってわめいたってみれんがましくいきてる)

「もう嫌だ」って喚いたって未練がましく生きてる

(そんなもんだなんてさとったふりしてるままじゃだめだ)

「そんなもんだ」なんて悟ったふりしてるままじゃ駄目だ

(できるもんならぼくだってじぶんをあいしたい)

出来るもんなら僕だって自分を愛したい

(まだもうすこしだけあがきたい)

まだもう少しだけ足掻きたい

(ぼくはぼくにきたいしたい)

僕は僕に期待したい

(あしたのじぶんにぜんぶなげんのもしまいだ)

明日の自分に全部投げんのも終いだ

(あたまじゃわかってるんだ)

頭じゃ分かってるんだ

(こころがまよってるんだ)

心が迷ってるんだ

(なんにせよこのせなかはぼくがおしてやらなきゃ)

なんにせよこの背中は僕が押してやらなきゃ