ペトリコール

(これはゆめかもしれないふかくきりのたちこめたばしょで)

これは夢かもしれない深く霧の立ち込めた場所で

(ひとりあるきつづけたどこへむかうのかわからないまま)

一人歩き続けたどこへ向かうのかわからないまま

(いまなんのあてもなくいみもみつからず)

今何のあてもなく意味も見つからず

(まよいだすこころはゆれるびあんこのうみ)

迷いだす心は揺れるビアンコの海

(れいんこーとをはうすいてきがはじけては)

レインコートを這う水滴が弾けては

(おちていくむなしさはまだつのっていく)

落ちていく虚しさはまだ募っていく

(またぼくはだいじなことをわすれてさまようぼうれい)

また僕は大事なことを忘れて彷徨う亡霊

(いつまでたってもうたえないまちがいさえもわからない)

いつまで経っても歌えない間違いさえもわからない

(ここはいまくうきょなゆめのせかいとそうおもいこんで)

ここは今空虚な夢の世界とそう思い込んで

(ぼくはあるいていくんだってさけびつかれたまま)

僕は歩いていくんだって叫び疲れたまま

(これはゆめかもしれないだとすればいつめがさめるのか)

これは夢かもしれないだとすればいつ目が覚めるのか

(もしもっさめぬゆめならそれはゆめとよべるだろうか)

もしもっ覚めぬ夢ならそれは夢と呼べるだろうか

(おもたいからだにむせかえるあめがふり)

重たい体に噎せ返る雨が降り

(きっとまだこころはゆれるたるんだくうき)

きっとまだ心は揺れる弛んだ空気

(とうさんぼくのつぼみはいきをつきねむっている)

泰山木の莟みは息をつき眠っている

(むなしさはまだつのっていく)

虚しさはまだ募っていく

(こわがってちゅうちょしてどうしようもなくさまようぼうれい)

恐がって躊躇してどうしようもなく彷徨う亡霊

(だれかのせいにしてしまいたいそれすらどうもむずかしい)

誰かのせいにしてしまいたいそれすらどうも難しい

(ここはいまくうきょなゆめのせかいとそうおもいこんで)

ここは今空虚な夢の世界とそう思い込んで

(ただただそうおもいこんでむなしさがのしかかる)

ただただそう思い込んで虚しさがのしかかる

(まだぼくはだいじなことをわすれてさまようぼうれい)

まだ僕は大事なことを忘れて彷徨う亡霊

(いつまでたってもうたえないまちがえさえもわからない)

いつまで経っても歌えない間違えさえもわからない

(ここはいまくうきょなゆめのせかいとそうおもいこんで)

ここは今空虚な夢の世界とそう思い込んで

(ぼくはあるいていくんだってさけびつかれたまま)

僕は歩ていくんだって叫び疲れたまま

(あるきつづけたまま)

歩き続けたまま