嵐「静かな夜に」

(あめのしらべ)

雨の調べ

(ただようなみだのかなで)

漂う涙の奏

(かすむそらが)

霞む空が

(のぞいていた)

覗いていた

(ときをとめて)

時を止めて

(まどろむもりのふかくに)

まどろむ森の深くに

(きおくをかくしたまま)

記憶を隠したまま

(ひかりさがす)

光探す

(いくつもいろをかさねるたび)

幾つも色を重ねるたび

(ゆめのようににじんでゆく)

夢のように滲んでゆく

(たなびくかぜにみをゆだねたなら)

たなびく風に身を委ねたなら

(とどかないこのこえも)

届かないこの声も

(のばしたてのひらにふれたひかり)

伸ばした手のひらに触れた光

(とおりすぎてゆく)

通り過ぎてゆく

(めざめわすれた)

目覚め忘れた

(はなをぬらして)

花を濡らして

(まるでそれはいつかみたけしき)

まるでそれはいつか見た景色

(もどれない)

戻れない

(ひとりえがきつづけた)

ひとり描き続けた

(しずかなよるに)

静かな夜に

(ひとみとじて)

瞳閉じて

(ながれるなみだはどこへ)

流れる涙はどこへ

(ねむれぬながいよるに)

眠れぬ長い夜に

(ほしをさがす)

星を探す

(ゆびさきなぞるかすれたいろ)

指先なぞるかすれた色

(かたちさえうすれてゆく)

形さえ薄れてゆく

(ふるえるむねにとかしたいたみが)

震える胸に溶かした痛みが

(ながれてはとめどなく)

流れてはとめどなく

(おいかけてはかなくきえたゆめに)

追いかけて儚く消えた夢に

(こころはゆれて)

心は揺れて

(わかれをつげた)

別れを告げた

(なにもいわずに)

何も言わずに

(だれかのよぶこえがいまもまだ)

誰かの呼ぶ声が今もまだ

(ひびいてる)

響いてる

(ひとりたちつくしてた)

ひとり立ち尽くしてた

(とおくみつめて)

遠く見つめて

(つきはきみをうつしだして)

月は君を映し出して

(しろくかがやく)

白く輝く

(あめはふりやむこともなく)

雨は降り止むこともなく

(ぼくをつつんだ)

僕を包んだ

(のばしたてのひらにふれたひかり)

伸ばした手のひらに触れた光

(とおりすぎてゆく)

通り過ぎてゆく

(めざめわすれた)

目覚め忘れた

(はなをぬらして)

花を濡らして

(まるでそれはいつかみたけしき)

まるでそれはいつか見た景色

(もどれない)

戻れない

(ひとりえがきつづけた)

ひとり描き続けた

(しずかなよるに)

静かな夜に

(おいかけてはかなくきえたゆめに)

追いかけて儚く消えた夢に

(こころはゆれて)

心は揺れて

(わかれをつげた)

別れを告げた

(なにもいわずに)

何も言わずに

(だれかのよぶこえがいまもまだ)

誰かの呼ぶ声が今もまだ

(ひびいてる)

響いてる

(ひとりたちつくしてた)

ひとり立ち尽くしてた

(とおくみつめて)

遠く見つめて