ヒゲとボイン

(ぼくのですくのとなりのやせてるくせにぼいんは)

僕のデスクの隣の痩せてるくせにボインは

(はなみのときにきすしてそれからなにもない)

花見の時にキスしてそれから何もない

(そんなかのじょのくちぐせは「あなたはいつもしごとでしょ」)

そんな彼女の口癖は「あなたはいつも仕事でしょ」

(しゃちょうはわかいくせしてひげなんかはやしちゃって)

社長は若いくせしてヒゲなんか生やしちゃって

(「きみをみてるとむかしのぼくをみるようだ」)

「君を見てると昔の僕を見るようだ」

(「おんなにうつつをぬかすとわたしのようになれないよ」)

「女にうつつを抜かすと私のようになれないよ」

(かんがえてるさとぼけてはいるけれど)

考えてるさとぼけてはいるけれど

(ああおとこにはつらくてながいふたつのみちが)

ああ男には辛くて長い二つの道が

(ああえいえんのふかいてーまさひげとぼいんがてまねきする)

ああ永遠の深いテーマさヒゲとボインが手招きする

(しゃちょうはしゃちょうのくせにしごともしないであそぶ)

社長は社長のくせに仕事もしないで遊ぶ

(いやなよかんはてきちゅうねらいはかのじょ)

嫌な予感は的中狙いは彼女

(ぼくもつれけといったら「あなたはどうせしごとでしょ」)

僕も連れけと言ったら「あなたはどうせ仕事でしょ」

(あめりかがえりでどくしんなんだそのえらそうなひげ)

アメリカ帰りで独身なんだその偉そうなヒゲ

(ぼくのみてるめのまえでぼいんにてをだした)

僕の見てる目の前でボインに手を出した

(なにかがおかしいなにかがあなたのようになりたいが)

何かがおかしい何かがあなたのようになりたいが

(かいしゃとはなんだじんせいとはなんだ)

会社とはなんだ人生とはなんだ

(ああぼくはいませかいいちのなやめるひとさ)

ああ僕は今世界一の悩める人さ

(ああおとこにはつらくてながいふたつのみちが)

ああ男には辛くて長い二つの道が

(ああえいえんにぼくをまよわすひげとぼいんがよぞらにうかぶ)

ああ永遠に僕を迷わすヒゲとボインが夜空に浮かぶ