ホワイトアウト

(いつだって)

いつだって

(なかなかきどくにならない)

なかなか既読にならない

(みどくのままのらいんがふあんで)

未読のままのラインが不安で

(きみがすこしあいたいっていうから)

君が少し会いたいって言うから

(おもわずとびだしたごご８じ)

思わず飛び出した午後8時

(こらえきれずかけてしまうでんわ)

こらえきれずかけてしまう電話

(よるのこうそくどうろ)

夜の高速道路

(みみにとびこんでくるふるえたこえで)

耳に飛び込んでくる震えた声で

(わたし、すきなひとができたの)

「私、好きな人ができたの」

(すでにないていたぼくの)

すでに泣いていた僕の

(あたまのなかはまっしろになって)

頭の中は真っ白になって

(にじんでいくふろんとがらす)

滲んでいくフロントガラス

(いいかえすことばももうみつからず)

言い返す言葉ももう見つからず

(さいきんへんじがおそいのはきっといそがしいからなんだ)

「最近返事が遅いのはきっと忙しいからなんだ」

(そういいきかせてたことをこうかいして)

そう言い聞かせてたことを後悔して

(きみにはらがたつ)

君に腹が立つ

(もっとおもってることくちにだせばよかったのになんて)

「もっと思ってること口に出せばよかったのに」なんて

(はなれてゆくこころがみえながら)

離れてゆく心が見えながら

(「あいたい」なんていえるわけないだろ)

「会いたい」なんて言えるわけないだろ

(どうにかなってしまいそうで)

どうにかなってしまいそうで

(もうどうにでもなれともおもえてきて)

もうどうにでもなれとも思えてきて

(くりかえされることはもうない)

繰り返されることはもうない

(きすも、あいも、きみも、)

キスも、愛も、君も、

(おねがいだからどこにもいかないで)

「お願いだからどこにも行かないで」

(そんなことしかいえず)

そんなことしか言えず

(しまいにはきみにすがりついて)

しまいには君に縋り付いて

(おおきなこえでなきだすしまつ)

大きな声で泣き出す始末

(ふたりですごしたときがいま)

ふたりで過ごした時が今

(きみのあたらしいそのだれかへと)

君の新しいその誰かへと

(であうためのじかんにかわっていってしまう)

出会うための時間に代わっていってしまう

(まえとおなじちゅうしゃじょう)

前と同じ駐車場

(けんかもしたしだきあったにちじょう)

ケンカもしたし抱き合った日常

(すきなひとはかなしみのじじょう)

「好きな人」は悲しみの二乗

(かってにおもっていたずっといっしょ)

勝手に思っていた「ずっと一緒」

(きのうあったことをきょうもはなそう)

昨日あったことを今日も話そう

(たわいもないひびをもっとすごそう)

たわいもない日々をもっと過ごそう

(めのまえがしろくそまってゆく)

目の前が白く染まってゆく

(どうにかなってしまいそうで)

どうにかなってしまいそうで

(もうどうにでもなれともおもえてきて)

もうどうにでもなれとも思えてきて

(くりかえされることはもうない)

繰り返されることはもうない

(きすも、あいも、きみも、)

キスも、愛も、君も、

(どうにもならなくなってゆく)

どうにもならなくなってゆく

(どうにかしたくてもすでにおそくて)

どうにかしたくてもすでに遅くて

(くりかえされることはもうない)

繰り返されることはもうない

(あのひも、えがおも、ぼくも、)

あの日も、笑顔も、僕も、

(きすも、あいも、きみも、)

キスも、愛も、君も、