完全犯罪ラブレター

(いつもどおりにぎわうてれびに)

いつも通り　賑わうテレビに

(きみのなまえがながれていたんだ)

君の名前が　流れていたんだ

(たいくつそうにわらうきみのかお)

退屈そうに　笑う君の顔

(なんでなんだろおもいだしていた)

なんでなんだろ　思い出していた

(なまえのないてがみをもらった)

名前の無い　手紙をもらった

(かぎがついたぼくへのことのは)

鍵がついた　僕への言の葉

(だれからだろ１と１のきみ)

誰からだろ　１と１の君

(「わたしはいまあのばしょにいるの」)

「私は今あの場所にいるの」

(ぐるぐるとまわるしこうに)

グルグルと回る思考に

(てがみがとどいた)

手紙が届いた

(ああきみはなにをまっているんだろ)

嗚呼　君は何を待っているんだろ

(ほらぼくあてのおきてがみ)

ほら　僕宛の置き手紙

(あっちこっちわらってる)

あっちこっち笑ってる

(ねえだれなのだれなの)

ねえ　誰なの　誰なの

(こたえてよ)

答えてよ

(それははりぼてのものがたり？)

それはハリボテの物語？

(きっときっとまがいもの)

きっときっと紛い物

(いま、どこにいるの)

今、どこにいるの

(なにしてるのとどかない)

なにしてるの　届かない

(きみあてのなもないらぶれたー)

君宛の名も無いラブレター

(いつもどおりななしのことのはが)

いつも通り　名無しの言の葉が

(ぼくのもとへまたとどいたんだ)

僕の元へ　また届いたんだ

(「わたしはいま、くらいこのへやで」)

「私は今、暗いこの部屋で」

(「あかくひかる」)

「赤く光る」

(「つきをみてるの」)

「月を見てるの」

(なまえのないてがみをみてると)

名前の無い　手紙を見てると

(ねこがないた「へんなかおすんな」)

猫が泣いた　「変な顔すんな」

(「あのよるとおなじつきのいろだね」)

「あの夜と同じ月の色だね」

(ひかるもじばんもうわけわかんない)

光る文字盤　もう訳分かんない

(ぐるぐるとまわるふあんへ)

グルグルと回る不安へ

(よぎるじょうけい)

過る情景

(もうぼくはどうしちゃったんだろ)

もう　僕はどうしちゃったんだろ

(ほらぼくあてのおきてがみ)

ほら　僕宛の置き手紙

(あっちこっちわらってる)

あっちこっち笑ってる

(ねえしってるのしってるの)

ねえ　知ってるの　知ってるの

(おしえてよ)

教えてよ

(それははりぼてのものがたり？)

それはハリボテの物語？

(ぜんぶぜんぶしんじない)

全部全部信じない

(ほらぼくがいるよぼくがいるよ)

ほら僕がいるよ　僕がいるよ

(きみのため)

君のため

(またとどくなもないらぶれたー)

また届く名も無いラブレター

(おかしいなかんぺきだったのに)

おかしいな完璧だったのに

(どこできづいたの？)

どこで気づいたの？

(「そうぼくがころした」)

「そう僕が殺した」

(ねぇ？ゆかいでしょたのしかったでしょ)

ねぇ？　愉快でしょ　楽しかったでしょ

(だからかえしてよさあ)

だから返してよ　さあ

(ぼくのかんぜんはんざいを)

僕の完全犯罪を

(ぶちこわしのきゃくほんを)

ぶち壊しの脚本を

(「わたし、いまあなたのへやのまえにいるの」)

「わたし、今あなたの部屋の前にいるの」

(これはぼくだけのものがたり)

これは　僕だけの物語

(あはははあはははは)

あはははあはははは

(ほらすごいでしょすごいでしょ)

ほらすごいでしょ　すごいでしょ

(ぼくすらだますえんぎ)

僕すら騙す演技

(ひまつぶしのおとぎばなし)

暇つぶしの　おとぎ話

(たまらないすりりんぐ)

たまらないスリリング

(さあでておいでよ)

さあ出ておいでよ

(けしてあげる)

消してあげる

(ぼくのため)

僕のため

(またとどくさいごのらぶれたー)

また届く最期のラブレター

(ほら「あなたのうしろから」)

ほら『あなたの後ろから』