チミドロスイッチ

(すいっちをおしたのは)

スイッチを押したのは

(わたしではないのです)

私ではないのです

(きょうのあさ)

今日の朝

(わたしがとってもだいすきなやさしいぱぱが)

私がとっても大好きな優しいパパが

(ぐちゃぐちゃなちとにくへんのかたまりになりました)

ぐちゃぐちゃな血と肉片の塊になりました

(こうじょうではたらくぱぱのしごとぶり)

工場で働くパパの仕事ぶり

(それをみてるのがたのしくて)

それを見てるのが楽しくて

(まいにちのようにけんがくにきてました)

毎日のように見学に来てました

(あかいすいっちは)

赤いスイッチは

(とてもきけんだから)

とても危険だから

(おしてはいけないという)

押してはいけないという

(いいつけもまもってました)

言いつけも守ってました

(すいっちをおしたのは)

スイッチを押したのは

(わたしではないのです)

私ではないのです

(すいっちをおしたのは)

スイッチを押したのは

(もうひとりのわたしなんです)

もう一人の私なんです

(いいこでいようとあれほどきめたのに)

いい子でいようとあれほど決めたのに

(どうしてあなたはかってなことするの)

どうしてあなたは勝手なことするの？

(ねえせんせい)

ねえ　先生

(ぱぱがしんだのは)

パパが死んだのは

(おるたーえごのせいなのです)

オルターエゴのせいなのです

(せんせいがくれた)

先生がくれた

(あおとしろのじょうざいを)

青と白の錠剤を

(のんでればすいっちは)

飲んでればスイッチは

(はいらないっていってたじゃない)

入らないって言ってたじゃない

(すいっちをおしたのは)

スイッチを押したのは

(わたしではないのです)

私ではないのです

(いれかわるすいっちは)

入れ替わるスイッチは

(いつのまにかおされていたの)

いつのまにか押されていたの

(うまれたときからわたしのなかには)

生まれた時から私の中には

(ころしたがりのかのじょが)

殺したがりの彼女が

(ねづいていたのです)

根付いていたのです

(すいっちをおしたのは)

スイッチを押したのは

(わたしではないのです)

私ではないのです

(すいっちをおしたのは)

スイッチを押したのは

(もうひとりのかのじょなんだから)

もう一人の彼女なんだから

(わたしはわるくないわたしはわるくない)

私は悪くない　私は悪くない

(わたしはわるくないわたしはわるくない)

私は悪くない　私は悪くない

(わたしはわるくないわたしはわるくない)

私は悪くない　私は悪くない

(だから)

だから

(そのちゅうしゃはうたないで)

その注射は打たないで

(そのちゅうしゃはきらいなのよ)

その注射は嫌いなのよ