忘れてやらない

(ぜんぶてんきのせいでいいよ)

ぜんぶ天気のせいでいいよ

(このきまずさもけんたいかんも)

この気まずさも倦怠感も

(たいようはかくれながらしらんぷり)

太陽は隠れながら知らんぷり

(がたごとゆれるまんいんでんしゃ)

ガタゴト揺れる満員電車

(すれちがうのはじゅんきゅうれっしゃ)

すれ違うのは準急列車

(りんかくのないくものひょうじょうを)

輪郭のない雲の表情を

(さがしてみる)

探してみる

(さくしゃのきもちをこたえなさい)

作者の気持ちを答えなさい

(いったいなにがせいかいなんだい)

いったい何が正解何だい？

(よていちょうわのしなりおふみぬいて)

予定調和のシナリオ踏み抜いて

(あおいはるなんてもんは)

青い春なんてもんは

(ぼくにはにあわないんだ)

僕には似合わないんだ

(それでもしってるから)

それでも知ってるから

(いちどしかないしゅんかんは)

一度しかない瞬間は

(はかなさをはらんでる)

儚さを孕んでる

(ぜったいわすれてやらないよ)

絶対忘れてやらないよ

(いつかしぬまでなんかいだって)

いつか死ぬまで何回だって

(こんなこともあったって)

こんなこともあったって

(わらってやんのさ)

笑ってやんのさ

(せまいきょうしつしんくうじょうたい)

狭い教室真空状態

(しょうねんたちはせいしゅんぜんかい)

少年たちは青春全開

(きりとりせんでくぎれたぼくのせかい)

キリトリ線で区切れた僕の世界

(きらいなぼくのれっとうかんと)

嫌いな僕の劣等感と

(たにんとちがうゆうえつかんと)

他人と違う優越感と

(せめぎあうぜつみょうなかんじょう)

せめぎあう絶妙な感情

(いったいなにやってんだ)

いったいなにやってんだ

(わかるわかるおんなじきもちさ)

わかるわかる同じ気持ちさ

(ほんとにそうおもっていますか)

ホントにそう思っていますか？

(たじろぐぼくのきもしらないで)

たじろぐ僕の気も知らないで

(だれかがはじめるきょうは)

誰かが始める今日は

(ぼくにはおわりのきょうさ)

僕には終わりの今日さ

(くりかえすあしぶみにみらいからのよびごえが)

繰り返す足踏みに未来からの呼び声が

(ひびいてるすすめよと)

響いてる「進めよ」と

(うんめいやきせきなんてものは)

運命や奇跡なんてものは

(きっとぼくにはもったいないや)

きっと僕にはもったいないや

(なんとなくのいっぽをふみだすだけさ)

なんとなくの一歩を踏み出すだけさ

(おとなほどくさってもいなくて)

オトナほどクサってもいなくて

(こどもほどてんさいじゃないが)

コドモほど天才じゃないが

(ぼくはいまじんせいのちゅうかんだ)

僕は今人生の中間だ

(かぜにおいてかれそうで)

風においてかれそうで

(ひっしにくらいついてる)

必死に喰らいついてる

(いつものかねのねも)

いつもの鐘の音も

(まどぎわにつんだほこりも)

窓際に積んだ埃も

(きょうしつのにおいだって)

教室の匂いだって

(ぜったいわすれてやらないよ)

絶対忘れてやらないよ

(いつかしぬまでなんかいだって)

いつか死ぬまで何回だって

(こんなこともあったって)

こんなこともあったって

(わらってやんのさ)

笑ってやんのさ