千日紅／志麻

(けっしてかれることないほかでもない)

決して枯れることない 他でもない

(あなたのためにひらいたはかないいちりんか)

貴女の為に開いた果無い一輪花

(せつなのあいとしりてもなお)

刹那の愛と知りてもなお

(ひとえにおもいさきほこる)

ひとえに想い咲き誇る

(あかいはな)

赤紫い華

(つきよのせいじゃくにうかんだあなたの)

月夜の静寂に浮かんだ貴女の

(あおいすはだふれようとしてた)

蒼い素肌触れようとしてた

(うきよのまよいごとと)

憂き世のマヨイ言と

(きられてはちっていくつぼみになりたくはない)

斬られては散っていく蕾になりたくはない

(あなたのあつきひとみそのこころに)

貴女の熱き瞳 その心に

(そらさないままでいられたら)

逸らさないままでいられたら

(しんずるみちがみえないものとしても)

信ずる道が見えないものとしても

(けっしてかれることないほかでもない)

決して枯れることない 他でもない

(ほかでもないあなたのためにひらいたはかないいちりんか)

他でもない貴女の為に 開いた果無い一輪花

(せつなのあいとしりてもなお)

刹那の愛と知りてもなお

(ひとえにおもいさきほこる)

ひとえに想い咲き誇る

(あかいはな)

赤紫い華

(あなたがのぞむのなら)

貴方が望むのなら

(このながいかみをゆうことさえ)

この長い髪を結うことさえ

(おしまないでしょう)

惜しまないでしょう

(あなたがおもむくなら)

貴方が赴くなら

(たとえせんかのなかでもいのるでしょう)

たとえ戦火の中でも 祈るでしょう

(つながれたいとがみえないものだとしても)

繋がれた糸が見えないものだとしても

(けっしてさめることないだれでもない)

決して醒めることない 誰でもない

(あなたのことをしたったなもなきいちりんか)

貴方の事を慕った名も無き一輪花

(せつなのあいにみをゆだねたいがんのたねがみをむすぶ)

刹那の愛に身を委ね対岸の種が実を結ぶ

(そのときまで)

その刻まで

(いろあせないふきゅうのあいこめられたねがい)

色褪せない 不朽の愛 込められた願い

(たとえこのみにかえようとも)

例えこの身に代えようとも

(どうかまだねむらないで)

どうかまだ眠らないで

(せんにちのちかいかとなりて)

千日の誓い花となりて

(あなたのそばでどうかさきほこれ)

貴方の側でどうか 咲き誇れ